義母が、家のカギを持って出るのを忘れ近所に助けを求めた。
ケアマネージャーが発見し、家に連れ帰ることが出来たが、
カギを持って出るのを忘れたのは、これで2回目だった。
妻も私も認知症かと思ったが、ただカギを忘れただけだったようだ。
とは言え、いつも幸いにことが進むとは限らない。
結果、最悪を想定し顔認証で家に入る手段を選択することにした。
しかしながら、顔認証登録は義母には過酷な試練になりました😅。
初めに、顔のデータを認証システムに登録しなければなりません。
ドアの前に立ち、上下左右と顔の向きを変えカメラに認証させます。
ドアユニットの音声から、最初の難関が流れます。
「登録を開始します」
「顔認証ユニットの約50㎝のところでセンサーの方を真っすぐ向いて下さい」と流れますが、
義母は、真っすぐに立って居るつもりでも、そうはなっていない。
妻が、「お母さん、真っすぐ立ってー!」と声を掛けるが、本人には届かない。
妻がまた、「お母さん、まだ真っすぐ立って無いょー!」と言っても、
思い通りに動けず、妻が無理やり身体を固定する。
結局、なんやかんやと時間オーバーになり、最初からやり直し。
もみ合っている間に、いつの間にか認識できドアユニットから、
「ピッ! 右を向いて下さい!」
「ピッ! 左を向いて下さい!」
「ピッ! 下を向いて下さい!」
「ピッ! 上を向いて下さい!」
と一定間隔でクールに指示が流れてくる。
義母は、反応のタイミングが遅れるので、妻が両手で顔の向きを変える。
また、時間オーバーで、
「ピッ! ピッ!登録ができませんでした。もう一度遣り直して下さい」とやり直し。
何回目かでようやく登録完了できたが、全員、すでに疲労こんぱい。
他人からみたら虐待とも見える光景が2つ目の難関でした。
結果、義母だけが何回トライしても反応しませんでした。
義母の忍耐力もそろそろ限界に近付き、顔認証を諦めることにしました。
一方、顔認証だけで出入りできるシステムであっても、
非常用にスマートコントロールキーを携行する必要があります。
義母は顔認証だけで用が足せば、カギは要らないと考える気質です。
だからこそ、カギを忘れるリスクが高まる可能性があると思いました。
顔認証システムは、カギを紛失しても解錠できますが、
あらゆる利便性を、義母にレクチャーをすると、返って混乱を招くと思い、
カギを持っているだけで、ハンドルタッチで解錠できる方法に替えました。
結局、カギを忘れると、家に入れない現実は前と同じでした。
そして、その対策が「カギをかけて家をでる習慣」をつけることでした。
「お母さん!カギをかけて出て行って下さいねぇー!」と、何度も声をかけました。
一番大事なことを一つだけ、実践して貰うことにしました。
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