子どもが小さい頃は、無条件に笑顔で接することができたのに、成長とともに「ちゃんとしなさい」「勉強しなさい」と、叱る言葉が増えていませんか。長男の将来を心配し、ゲームに熱中している姿に苛立ち、つい強い口調になってしまう。それは、愛情があるからこそ。しかし、家計の不安や自分の理想とのギャップに苦しむあまり、怒りの形でしか気持ちを伝えられないことが、自己嫌悪や家庭内の空気の悪化を招いてしまいます。
親の願いが勝っているとき、直感的に可愛さ余って憎さ100倍になって悪態をついてしまいます。大切なのは、子供自身が、いま何をすべきかを冷静に考えさせることです。感情をいったん脇に置き、子どもと向き合って話すことです。お互い真向いに座り、同じ目線で対等に話すことがとても重要です。
親が子供に、「自分の力で未来を切り拓いてほしい」と願うなら、まずは家庭の現実、限られた家計の中で応援するしかないということを正直に伝えましょう。子どもにも、家族全体のお金の流れを見せて、一緒に5年後のビジョンを描くのです。優先順位を共有することで、子どもも責任ある一員としての意識が芽生えるかもしれません。
親の期待通りに動かない子どもに腹が立つのは、愛があるからです。しかし、家族であっても一人ひとりは別人格。親の思い通りにすることが子どもの成長ではありません。自分の意思で未来を選び、自分の行動の結果を自分で背負う力を育てることこそが、親の役目ではないでしょうか。
悩むことは、親として真剣に向き合っている証拠です。怒りや不安に飲み込まれず、自分自身もまた一人の人間として生き方を問い、子どもと一緒に成長する姿勢を大切にしてください。
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