一般的に、戸建て住宅では築20年から30年、マンションでは20年を待たずにリフォームが行われることが多いようです。リフォームの目的としては、キッチンや浴室、節水便器の「耐久性向上」、屋根や外壁、玄関扉などの「老朽化対策」、太陽光発電や蓄電池、オール電化といった「省エネ対策」、段差解消や手すり設置などの「高齢化対策」、さらには地震対策としてのクローゼット増設などが挙げられます。
特に、50代以降のリフォームでは、自分たちの老後や親の介護を見据えた計画が多く見られます。しかし、リフォームには100万円から数千万円までかかることがあり、老後破綻を招くリスクもあります。私たちも親の介護を想定したリフォームを検討しましたが、親がどの程度まで身体が動かなくなるのか、家族がどこまでサポートできるのか、自分たちの体力はそれに耐えられるのかといった、不安や不確定要素が多いことに気付きました。
業者は最善の設計を提示してくれますが、親の運動能力や感覚機能が将来どの程度まで低下するかは、誰にも予測できません。リフォームしても、家族がサポートすることが不可能なケースもあります。手すりの設置や段差の解消といった対策は、ある程度自立した状態であれば有効ですが、寝たきり状態では廊下幅やトイレ、浴室の造作が必要になります。これらを行ったとしても、介護施設並みの設備を自宅に導入することは難しく、高齢者が高齢者を介護することは現実的ではありません。
業者にリフォームを先導されると、計画が泥沼化する危険性もあります。リフォームは冷静に、今何が必要なのかを見極め、慎重に進めるべきです。資材や人件費が高騰している中で、無駄な出費を避けるためには、心身の状態に応じて臨機応変に対応することが重要です。リフォームの前に、医師や介護専門職に在宅介護が可能かどうか、家族がどこまで支えることができるかを相談することが、リフォームの成功に繋がります。
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