料理をすることが「節約と生きがい」になると始めたチャレンジは、思いのほか多くの学びと気づきをもたらしました。私は68歳になって、料理を自分で作ることで食材の原価を把握し、最小の費用で最高の料理を作ることができるという一石二鳥の考えから始めました。しかし、実際にはひたすら台所に立ち続けることが重労働であり、体力的にも厳しいと感じることが増えていきました。最終的には身体が悲鳴をあげ、止めざるを得なくなりました。
当初は、1ヶ月分のメニューを作成し、何度も料理動画を再生してレシピを覚えることから始めました。下準備から調理の手順までミスがないようにと緊張感を持って取り組んでいました。しかし、食品材料のコストが高いことに加え、生クリームやバター、チーズ、香辛料や調味料など、食材以外の金額が予想以上に高いことに気付きました。各メニューごとに原価を計算するのは至難の業のように感じましたが、それでも料理に励み続けました。
料理は重労働であることを後に知ることになりましたが、チャレンジ精神は幾つになっても必要だと思います。ただ、一人で一心不乱に打ち込むのは良くなかったようです。「日々何を目標に生きるか?」という悩みは贅沢なものかもしれませんが、PDCAを回すことで細やかな生きがいを見出そうとしました。結果としては「強いては事を仕損じる」という状況になり、1ヶ月で中断しました。しかし、この経験を通じて病気を克服してからは、独りよがりの料理ではなく、妻と共同作業で料理を楽しみたいと思うようになりました。
今後は、レシピを多彩に収集し、毎日の献立に活かすため、食材ごとに体系化したいと考えています。料理は節約のためだけではなく、高齢夫婦の健康と生きがいのかけ橋であり、妻との共同作業のかけ橋でもあります。暇つぶしも節約も、焦らずじっくり取り組むことが大切だと感じました。
今回、何十年ぶりかで医者に行くことになり、多くの出費がかかりましたが、節約、暇つぶし、日々の献立解消とWinWinになることを期待していた挑戦は、わずか1ヶ月で断念しました。この節約と暇つぶしのチャレンジを通じて、妻は今までの料理から献立を考えるようになりました。妻は手抜きなく、豊富な知識に裏打ちされた料理を作ります。これからは、妻の知識を学びながら、共同作業でチャレンジしていきたいと思います。
1ヶ月分のメニュー作成は、私にとっていいチャレンジでした。最近では、妻が「今日何を食べたい」と聞かなくなりました。これが良かったか悪かったか、今後検証していきたいと思います。
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