退職は、これまでのサラリーマン人生を締めくくり、新たな人生の章を開く大きな転機になります。そのため、退職後の生活を見据え、会社の持株会の株の見直しを最優先事項に捉えて欲しいと思います。会社員として長年勤め、会社の成長に貢献してきた忠誠心は素晴らしいものですが、定年を迎えるにあたりその株を整理し、次の人生に備えることが、ゆとりある老後の重要なカギになります。
会社を離れるということは、その護送船団から離れて、一人で舵取りをすることです。もはや会社のリスク管理やサポートに頼ることが出来ない状態にあり、核心の情報に触れることが出来ない可能性が高くなります。そのため今後は、過去の栄光と繋がりを絶ち、全てのリスクを自分一人で背負うことを覚悟しなければなりません。自分一人で舵取りをする決意が求められています。
会社の栄光やしがらみに引きずられず、第二の人生に向けた新たな挑戦の準備を怠ってはいけません。根拠のない期待を減らし、持株会の株式を清算し身軽になりましょう。もちろん、会社を一株主として応援し続けることも選択肢ですが、その場合は全株ではなく一部を残し、残りは分散して投資することをお勧めします。持株会で積み上げた株を一社の株式にすべてを委ねるのは極めて危険です。第二の人生に期待を抱くのは後々のリスクを先送りするだけです。まずは冷静になって専門家の客観的な意見を聴くことが寛容な判断です。
投資の基本は「長期」「積み立て」「分散」と言われています。株式以外にも債券やリート、海外の資産などにも目を向け、リスクを分散させる方が良いようです。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用状況を参考にしてみてください。2023年度第1四半期では収益率が+9.49%となり、2001年度から2023年度第1四半期までの平均年率でも+3.97%の収益を上げています。
このような例を参考にしつつ、投資をするのであれば、より広範囲に資産を分散し投資することが失敗しない鍵のようです。日本国内だけでなく、海外の先進国や途上国の株式も検討する必要があります。また、株式だけでなく国債や社債など収益が期待できる債券を検討することも必要です。更には国内外のリートも念頭にいれることが出来ます。
投資は自己責任です。持株会の株式をどう清算するかは、リスクと将来の生活設計によりますが、専門家の意見を参考にしつつ、慎重に判断することが問われます。 退職は終わりでな無く始まりです。ゆとりある老後を手にするには囚われの無い判断と行動が求められます。
適格な判断と行動で、ゆとりある老後を実現されることをお祈りいたします。
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