自宅か施設か？母と娘、それぞれの人生の選択基準とは

膝の手術を機に認知症と診断された一人暮らしの母。入院、施設入所を経て再び自宅で暮らしていますが、妄想や不安定な精神状態が続き、1人での生活は限界を迎えつつあります。母は実家での生活を強く望んでいますが、娘としては施設入所を選ぶことにためらいがあります。ケアマネジャーの助言も受けていますが、まだ納得のいく答えには至っていません。

そもそもケアマネジャーは、医師や看護師、理学療法士、社会福祉士など様々な国家資格保有者が担っています。その知識や経験は出自によって差があるものの、本人や家族の生活を支えるプロフェッショナルです。また、国家資格を持たない生活相談員や支援相談員なども病院や施設に常駐し、親身に寄り添ってくれます。

まずは主治医から母の病状を正しく把握し、専門職の意見に耳を傾けることが大切です。親子という感情を超えて、一人の人間として母にふさわしい環境は何か、冷静に見つめる姿勢が必要です。「親だから」「子だから」という関係性に縛られず、自分自身がこれからどう生きていくかという視点を持って判断してほしいのです。

親の人生をすべて子が背負う必要はありません。親もまた、自分の親を乗り越えて今を生きてきました。だからこそ、子である私たちも、自分の人生をどう生きるかを考え、歩み始める時なのです。