92歳の義母は要介護1の認定を受け、週2回デイサービスに行っている。
施設での機能訓練やレクレーション、日々の健康状態を確認するため月1回、
ケアマネジャーが自宅を訪問し、本人と家族を交え聞き取りを行っている。
この日も午前11時に、八木ケアマネジャーが来る予定だった。
8時30分ごろ1階の方から「ドスン!」という音がしたので、
義母が外出したことが分かった。
薬が少なくなってきたので、医者に行ったようだったが、
診察を受け処方箋を貰って、薬局に行って帰ってくるには、
手押し車で500mの距離を行き来するのは92歳には慌ただしい。
玄関で音がしたので、義母の部屋に行ったら、
温度計が無いことに直ぐ気付いた。
「いつも、身体の芯から寒い」という部屋の温度を何度もチェックしていた。
高さ1mのタンスに、幅7㎝高さ15㎝の温度計を置いていた。
箪笥の後ろに落ちたのか?
置き場所を変えたのか?
探しても見つからなかった。
「お母さんの部屋の温度計無いよ!」と、妻に聞いた。
妻は、「知らな~い」の一言だった。
妻は、「お母さん、医者に行ったから、もうすぐ帰って来るよー!」
間もなく義母が帰ってきた。
妻が、「温度計あったよ!」と叫んだ。
私は、「何処に?」
妻は、「お母さんが、持って行ってた!」
私は、「温度計を?」
「何でー?」
妻は、「時計の、代わりだってー」
私は、「時計の代わり?」
私は、「普段から使っていないのに、何で今日に限って?」
妻は、「知らな~い」
義母は、11時のケアマネジャーのアポイントメントに間に合うよう、
腕時計代わりに、温度計を持って行ったようだった。
義母は、月曜日と金曜日の午後からデイサービスに行っているが、
デイサービスに通い始め8年になるが、
一度たりともデイサービスに行く日を忘れたことが無い。
デイサービスの当日12時にかかって来る送迎時間にも、
迎えにくる10分前には、カバンを持って玄関で車を待ち構えている。
1分たりとも遅れたことが無い正確さだ!
考えてみると、義母は時間に几帳面だったようだ。
「出かけるときは、家の人に必ず声をかけて下さいね!」と、
ケアマネジャーから、たびたび指導を受けている。
デイサービスは完ぺきでも、家族へは面倒なのか意識は低い。
結局、義母はケアマネジャーの面談に遅れないよう、
細心の注意を払って、温度計を時計代わりに持って行った。
「ヒザ痛ッの義母の悲鳴を人感センサーで身体測定2023」でも紹介したように、
階段を上り下りできる義母は、体力だけでなく社会性も完璧だった。
改めて、今どきの92歳は偉大だと!と思った。
時間を重視することは、自己管理ができている証拠でもある。
参考資料:【医師監修】認知症の中核症状|代表的な6つの症状と治療方法
だから、カレンダーにスケジュールを書かなくても、
週2回のデイサービスは、しっかり心に刻まれ忘れること無く、
時間に遅れることもないのだった。
止まっていた腕時計3つ、直ぐに修理に出しました😁
コメント