今日は朝から霧雨が降っていました。9時半ごろ、玄関ドアが閉まる音がして、義母が外に出て行ったようでした。年に数回「行ってきます」と言い残すことがあるものの、ほとんどの場合は無言で出て行きます。霧雨のためか、義母は30分ほどで戻ってきました。手押し車も杖も持たず、一人で傘をさして医者に行ってきたようです。診察を受け、処方箋をもらい、薬局へ行って薬を受け取るのが目的でした。
朝の8時ごろ、妻が「今日も明日も雨だから、医者に行くのを金曜日にしたら」と言うと、義母は「明日水曜日は薬局が休み」と言い、間もなく家を出て行きました。木曜日に薬が無くなるのを予想しての行動だったようです。帰宅した93歳の義母は「雨が強くなりそうだったので、薬局に行くのをやめて帰ってきた」と言いました。
このような状況の中、義母の見当識障害の有無を検証しようと考え、1日の行動を評価することにしました。見当識障害とは、現在の時間、年月、場所、家族などの現状と相互関係が把握できなくなる状態を指します。「時間」の認識が無くなると、予定に合わせた行動ができなくなります。「年月」の認識が無くなると、年齢、日付、曜日、季節が曖昧になります。「場所」の認識が無くなると、家の内外で迷子になります。「家族」の認識が無くなると、親兄弟や友人との相互関係が混乱します。
義母の行動を観察すると、日付、曜日、時間、天候、薬局の休日などの状況判断は適切であったことがわかります。認知症の早期段階に見られる症状は見受けられませんでした。しかし、認知症の具体的な症状として、「考えるスピードが遅く、2つ以上のことを処理できず混乱しイライラする」「歯の治療の現実と噛めない現実、観念的なことと現実が結びつかない」などの状態がありますが、これらは症状というよりも個人の性格が勝っているように感じられます。
また、失敗を責められたり非難されたと感じられないようにすることが重要です。相手の自尊心を傷つけないよう、人格を尊重することが認知力低下を遅らせると言われています。相手の表現や言葉を否定すると、非難されたことだけが残り、状況判断を妨げることで認知力を退化させてしまう可能性があります。 最後に、生活のリズムが変わっていないか、1日のルーチンに変化がないかを確認することも大切です。義母の行動を評価することで、見当識障害の有無や認知機能の低下について理解を深め、適切な対応を心掛けることが重要です。
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