高齢者の交通事故を予防するには、ハインリッヒの法則が有効です。この法則は1件の重大な事故の背後には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件のニアミスが発生しているといいます。信号無視や一時停止無視、車庫や駐車場での接触など、さまざま違反や小さな事故を繰り返していく先に、重大事故を引き起こす可能性があるというものです。
私自身も滋賀県の道の駅で当て逃げ被害に遭いましたが、接触時、幸いにも目撃者がいて加害者は警察に出頭しました。60代後半の加害者は、大したトラブルではないと判断しその場を去りました。加害者は今回の事故に限らず年に数回の事件を起こしていました。保険会社の担当者は、被害者が新車交換の要求をしなかったことに感謝しました。1か月後修理費は100万円と判明しました。加害者は手が震え住所氏名を書くことができず、事情聴取に応じることが出来ませんでした。この一件は重大事故でありませんでしたが、29件の何件目かは本人だけが知っています。
加害者とその家族及び勤務先は、重大事故を引き起こし、家族や会社が破綻する前に、加害者に運転の中止と免許返納を求めるべき、本人の健康と事故の調査を検証すべきです。事故現場の写真を撮ってくれた人や、出頭した加害者に感謝しつつ、私自身も運転マナーや交通法規を見直すきっかけになりました。
ハインリッヒの法則は、軽微な違反や事故を繰り返しながら、いつか重大事故を引き起こす可能性を示唆しています。第三者においてこの確率を予測するのは困難です。因果応報とも言えるこの確率は、運転する本人が一番その危険を分かっています。大したことは無い。見つからなければ大丈夫。自分を誤魔化し自分に嘘をつき、真実から目をそらすことが300件の軽微な事件として蓄積され、重大事故に一歩づつ近付いています。
運転する本人が気付かない場合こそ、家族や同乗者が、断固たる措置を果たす義務があります。
同乗者は、運転手が、
❶車間距離が短くなってきた。
❷運転がせっかちになってきた。
❸交通ルールを守らなくなってきた。
3つの症状が出てきたら、運転者は危険信号だと判断してもいいと思います。家族や事業者はそのことに気付いたとき、運転手に日々の変化が無いか自らを振り返って貰うタイミングです。重大事故を阻止するタイミングは本人だけでなく家族や事業者の気付きと行動が必要です。重大事故を回避することも老後破綻を回避する重大な選択肢の一つです。同乗者や家族は罰せられることはありませんが、重大事故の責任は生涯付きまといます。老後破綻を阻止するのは貴方です。
コメント