同僚から連日グチられる不満を跳ねのける賢い対話術

50代の女性から、職場で同僚の愚痴を聞くことに悩んでいるという相談がありました。その同僚は毎日のように「介護するのは私しかいない」と嘆き、それを聞いている自分が辛くなるとのこと。

「心が狭いのか」「優しさが足りないのか」と悩むものの、問題の本質は、その夫や家族がなぜ介護に協力しないのか、そしてなぜ妻だけに負担を押し付けているのかにあります。同僚の愚痴をただ聞いているだけでは苦痛は続くばかり。

これを変えたいのであれば、思い切って「なぜご主人や家族は介護をサポートしないのか？」と問いかけることが第一歩です。受け身の姿勢でただ愚痴を聞き続けるのではなく、質問を交えることで双方向の会話を促しましょう。同僚があなたを一方的な「グチのはけ口」として利用している状況を放置するのではなく、質問と答えを繰り返すことで、相手の無意識なわがままな態度を見直す機会をつくれます。

「聞く一辺倒」の状態から脱することで、同僚との会話に変化が生まれます。「そんなに頑張らなくてもいいんじゃない？」などの軽い言葉から入りつつ、家族や夫の役割、介護保険の利用可能なサービスについて尋ねてみてください。

デイサービスやショートステイなどを利用することで負担が減る可能性があります。また、夫が親の介護にどう向き合うべきかを考えるよう促すことも重要です。妻だけが介護を担う時代はすでに終わっています。今までと違うスタンスで接する質問を、同僚が嫌がるかもしれませんが、善意を持った会話は結果として大きな助けになるでしょう。

苦痛を解放するには、嫌なことから逃げれば倍になり、近寄っていくと半分になると言います。嫌なことから逃げるのではなく、一歩踏み込むことで反面教師として他人の経験から、何か学ぶことがあるかも知れません。同僚との関係を改善するには、親身になりながらも、自分の心を平静に保ち、適度な距離感を保つことが何よりも大事です。相手の気持ちに寄り添いつつも、建設的な会話を目指すことで、自分自身も少しずつ解放されていくはずです。