食費の節約が、暇つぶしになると思い料理を始めてから、
動物性のタンパク質を毎日一定量摂取することが、
うつ病や認知症予防の効果があることを知った。
93歳の義母と70歳間近の3人の食事は、
普段から肉や魚を、多く食べているように思う。
妻はその最新の研究結果を、ごく自然に実践していたようだ。
動物性タンパク質が、うつ病や認知症予防に繫がる理屈よりも、
身体に不可欠な栄養素だということを理解していたようだ。
暇つぶしで始めた、にわか料理人は、妻の思いを計ることも無く、
自分でやってみて初めて、食の大切さを認識したように思う。
普段から食材に拘り、食を吟味していたことを、薄々分かっていたものの、
何十年も前から実践していたことに、今更ながら驚きと感謝しかない。
93歳の義母は、毎朝2階のキッチンに階段を上がってお湯を沸かす。
1日に何度となく、階段を上り下りしている。
ヤカンで沸かしたお湯を、ポットに移すことも忘れることは無い。
デイサービスに行く日も、一度たりとも忘れたことが無い。
カレンダーに貼ってある薬も、飲み忘れたことが無い。
1人で病院に行き、1人で薬局に行き、一人でご飯を食べ、1人で排泄する。
その義母の気丈さは、明らかに妻の作る食事によって支えられているようだ。
精神科医の和田秀樹さんによると、
高齢者のうつ病は、認知症よりも怖い疾患であると指摘している。
更年期以降の女性は、
女性ホルモン(エストロゲン)が減り、男性ホルモン(テストステロン)が増え
行動的で活動的になると言う。
女性ホルモンは激減するものの、男性ホルモンは緩やかに減少。
男性ホルモンの「テストステロン」は、やる気がみなぎり活動的に、
不安やうつ症状も消え認知症予防に繋がると言う。
このテストステロンを増やすには、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、乳製品、卵など、
必須アミノ酸を多く含む動物性タンパク質が最も重要で不可欠という。
この必須アミノ酸は、❶リジン❷トリプトファン❸メチオニン❹フェニルアラニン
❺スレオニン❻バリン❼ロイシン❽イソロイシン❾ヒスチジンの9種類からなり、
体内で合成できないため、食品からしか摂取できないため、食べる以外に方法が無い。
中でも、この必須アミノ酸の「トリプトファン」は、
セロトニンの原料となり、ドーパミンやノルアドレナリンを刺激して、
喜びや楽しみ、やる気などの幸福感を活発にする。
大人では1日当たり、牛肉・豚肉・鶏肉・レバーなど100g、鶏卵1個、
チーズ20g、魚100gを摂取すればトリプトファンの必要量は確保できる。
高齢者には、最も身近な魔法の特効薬と言えるかも知れない。
うつ病は食欲がなくなり、寝つきも悪くなり早く目覚めることも多く、
認知症は、食欲が増し、よく眠る傾向があると言う。
93歳の義母が健康なのは、明らかに食生活のお陰だと言っていいだろう。
だからこそ、無知なにわか料理人が、間違った節約で料理を続けると、
返って高くつく結果になり兼ねないようだ。
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