母を亡くした50代の娘が、突然亡くなった母の話を、もっと聞いてあげればよかった。余りの突然の出来事に心の整理がつかずどうしたらいいか?という投稿がありました。
突然の別れは、心を深く裂くものです。母を失った悲しみの中で、「もっと話をすればよかった」「もっと気づいてあげれば」と悔やむ気持ちは尽きないでしょう。思い出の一つひとつが胸を締めつけ、現実が受け入れられない日々が続くのも無理はありません。
しかし、人との別れは誰も避けることができない人生の試練でもあります。人の一生を、四季にたとえることがあります。春に芽吹き、夏に輝き、秋に実りを結び、やがて冬の静寂を迎える。母の人生もまたその自然の流れの中にありました。突然訪れた冬のような別れであっても、それは不自然なものではなく、自然の摂理の中に組み込まれた一つの「巡り」なのです。
花は散っても、土に還り、次の命を育てます。母が遺した言葉や仕草、優しさや叱咤の記憶は、あなたの中に確かに息づいています。母は姿を変え、あなたの中で生き続けているのです。だからこそ、悲しみに沈むだけでなく、その“命のバトン”を受け継ぐように、自分の人生を歩み続けてほしいと思います。
人は誰しも、自分の人生を通して学びを積み重ねていく存在です。母と娘の関係も、ただ親子というだけでなく、互いが成長するために出会った魂同士の縁なのかもしれません。もし魂が生まれ変わるものだとするなら、母との絆はこの世で一度きりではなく、何度も姿を変えて続いていくでしょう。
今は悲しみに心を委ねる時間も必要です。しかし、その中で少しずつ「母から何を受け取ったのか」「これから自分は何を成すべきか」を見つめてください。母があなたに教えてくれた優しさや強さは、次に誰かを支える力となるはずです。
別れとは、終わりではなく次への始まりです。冬のあとに春が来るように、悲しみの先にも必ず光があります。どうか、母の愛を心に灯しながら、自分の人生をもう一度歩き出してください。それが、母が一番望んでいる“あなたの生き方”なのです。
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