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都道府県民限定宿泊プランに要注意。
ニッコウキスゲは、群馬県と福島県にまたがる尾瀬沼(おぜぬま)が有名ですが、
近間で混雑している長野県の車山高原のニッコウキスゲこそ、今年はコロナ禍で空いていると思い、絶好のチャンスと考え旅行サイトを開きました。
旅行サイトは、「残りあと二部屋」とか「今日何人が予約しました」と、
旅行者を焦らしますが、直ぐに予約が取れたところをみると、
結局はガラ空きだったようで、3蜜回避には絶好の日だったようです。
ところが、長野県民限定宿泊プランを予約してしまい、
ホテルから旅行者の住所確認があり予約ミスに気付きました。
ホテル側は、還付金を役所に請求する際、宿泊者の住所を証明できる資料を添付し、
自治体に請求しなければならないようです。
世界遺産二条城に京都府民限定で訪れたとき、身分証明を求められなかったので、
偽って予約していたら、安いプランが高くなり落胆しているところでした。
コロナより大雨・土砂災害警報に注意。
旅行予約サイトではどこの施設も空きがあり、目的地の近くに予約変更できました。
7月8日大雨警報や洪水警報、土砂災害警報を気にしながら、
宿泊施設に道路情報を確認すると、何か所かで通行止めがありました。
「キャンセル料は要りませんので・・・」と言われながらも、
出発地は朝から快晴なので、安全運転ですっ飛んで行きました。
木曽川、長良川、揖斐川の木曽川は、橋げたまで濁流が溢れていましたが、中央高速も大雨の影響はなく快適に走り続け、登山口の車山高原車山肩(くるまやまかた)駐車場の、ナビ目的地レストランチャプリン(0266-58-7275)まで難なく辿り着くことができました。
車山高原のホテルは3蜜回避の必要は無かった。
車山肩駐車場から車山山頂、車山湿原の2時間のトレッキングを予定していましたが、
駐車場には登山者の車が一台もなく、ガスも深くトレッキングは断念しました。車山山頂の展望リフトが7月11日(土)営業開始だったこともあり、観光客も一人も居ませんでした。
ニッコウキスゲは、駐車場周辺にも咲いており、登山道入口付近を散策しました。沿道にロープが張ってあり、近づくと電気柵でしたが、ニッコウキスゲ一帯を保護していました。思うような写真を撮ることは出来ず、雄国沼(おぐにぬま)のニッコウキスゲを思い浮かべ残念な気分になりました。
ガスは時間をおき晴れ間を見せましたが、誰も歩いていないところを突き進む勇気もなく、早々に車山スキー場近くのホテルに向かいました。当日は私達一組だけで、3蜜を避ける最高の環境でした。
気象庁は、7月1日から10日までの総雨量が、過去38年間で最多だったと言っていましたが、人がいないのはコロナの影響より大雨が原因だったようです。
電気柵はシカを忌避(きひ)することが目的。
ホテルのオーナーから、ニッコウキスゲがシカの被害にあい、その対策と取り組みについてマンツーマンでレクチャを受けました。車山の霧ヶ峰高原では、1990年代以降ニホンジカが草原で見かけるようになり、2004年以降広く分布するようになったようです。
また、2009年の調査ではシカの生息密度が2006年の約3倍にも増えたようでした。
シカの採食からニッコウキスゲなどの植物保護のため、富士見台のビーナスライン付近では、2008年7月から試験的に簡易電気柵が設置され、電気ショックで忌避(きひ/きらって避ける)する目的で、シカの侵入を抑える取組みが行われています。
2013年4月から景観保全のため、本格的に電気柵を設置しましたが、電気柵がない場所はフキノトウ、ニッコウキスゲ、マツムシソウなど絶滅状態だったようです。
食害対策は自然環境を守る壮絶な取り組み。
2018年7月からニホンジカの食害対策のため、忌避剤(きひざい/害虫・害獣が嫌うニオイや成分)散布試験を実施しています。
ニッコウキスゲなどの草本植物の食害対策効果は、電気柵で囲った場所だけにニッコウキスゲが群生し、柵の外では花芽が食害にあっているため、ニホンジカ忌避剤(商品名:ランテクター、主成分:卵黄)を散布しています。
ニッコウキスゲが開花するまでは電気柵で囲っておき、忌避剤を散布すると同時に柵を撤去し、散布した区画と散布しない区画の食害の違いを調べ、希少植物の保護などの対策が行われています。
ジビエはクリーンキルで仕留め2時間以内に搬入。
食材として利用される野生鳥獣「ジビエ」について、
2016年(H28年)の全国シカ捕獲が579,300頭(環境省)、
北海道のエゾシカは128,104頭(H29年)でしたが、
農水省の野生鳥獣資源利用実態調査(H29年)によると、
食肉処理施設で解体利用されたのは、北海道で32,084頭(25%)、
全国では64,406頭(11%)だったようです。
北海道では、エゾシカをジビエとして食用することが多いため、
銃器によって捕獲することが多いとのことです。
食肉にするには、狙撃部位を胸部(横隔膜の前方・心臓・肺)、頭部(脳・頚椎・脊髄)を1発でクリーンキルすることが必須のようです。
苦しめず即死させることで、胃や腸を傷つけず、肉を汚染させない衛生管理が、
最高の食材としての価値があります。捕獲後は短時間に放血し、内臓は摘出せず、
2時間以内に食肉処理施設に搬入する必要があるようです。
光珠内季報No.192(2019.10) 「エゾシカをおいしく食べるための捕獲とは」明石信廣より引用http://www.hro.or.jp/list/forest/research/fri/kanko/kiho/pdf/192-1.pdf
シカ肉の囲いわな事業にクラウドファンディング。
北海道ではエゾシカを、衛生的で良質な食肉を確保するために、
囲いわなで生きたまま捕獲し、食用だけでなく観光資源や教育資源として、
活用を検討しているようです。
一時養鹿施設に搬入する事業は、囲いわなの設置や運用一時養鹿にはコストがかかるほか一度設置すると容易には移設できず設置場所の選定が重要な問題にもなるようです。
エゾシカをおいしく食べたいと思う消費者に、捕獲手法と安定供給をはかる目的で、
家畜の事業化のため、安心安全な鹿肉を全国に供給するため、
クラウドファンディングを提案してみてはどうでしょうか。
草食性のエゾ鹿、肉食性のエゾオオカミ、雑食性のヒグマの三者によって生態系が保たれていた時代は遠い昔の話し、現実的な行動を支持する人は多いと思います。
いつかは雄国沼のように!!
ニッコウキスゲは尾瀬が有名ですが、尾瀬や日光でもシカが増加し、
食害被害により雄国沼が面積当たりの生息株数が尾瀬を上回っているようです。
磐梯朝日(ばんだいあさひ)国立公園にある雄国沼は、雄子沢(おしざわ)駐車場から雄国沼湿原を目指します。ニッコウキスゲの数の多さと広さはまさに圧巻です。ニッコウキスゲが一面に咲き誇る大群落の楽園のようです。
雄子沢登山口から雄国せせらぎ探勝路を通っての片道3.3km約90分のコースは、
ブナやミズナラ、カエデなどの広葉樹林のなかを緩やかに登ります。
汗をかいて苦労して登ったご褒美に、ニッコウキスゲの群生が広がります。
黄色の絨毯を敷きつめたニッコウキスゲが、車山でも咲き誇ること祈ります。
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