起業する場合も失業保険は貰える?

 

はじめに

60歳で退職し起業するため、その準備期間中に失業保険の申請にハローワークに行こうと思いましたが、「原則として求職者給付を受けることが出来ない」という項目があることがわかりました。
「自営業をしている人や、その準備をしている人も、例え収入がなくても、給付の対象にはならない」とする条件です。
60歳定年で再雇用制度を辞退し、起業するまでの準備期間中、当然の権利として失業保険を貰えると考えていましたが、自営業と同様、今から起業する場合も
失業保険を貰えない可能性がありました。不安と期待を胸にハローワークに向かうことになりました。

 

失業認定は求職活動が絶対条件?

私は起業の準備として、専門学校で勉強しながら、授業料の一部を失業保険で賄いたいと考えていました。会社に就職する意志が無い人間が、起業を前提としてハローワークで失業認定を受けることが出来るのか?どのように対処したら、確実に失業認定を受けることが出来るのか手探りの活動が始まりました。

失業認定を受けるには4週間に 2回の求職活動が絶対条件とあるため、求職活動がなければ失業認定を受けることが出来ない前提条件が存在します。

就職する意志をみせつつ、起業を目指すことを隠しながら、或いは、起業はあくまで一つの選択肢として、就職活動を行えばいいのか疑問でした。

退職後も趣味と実益を兼ねた再チャレンジに、出鼻をくじかれる思いでした。早速、一億総活躍社会の一員になろうと思っていたのが不安なスタートです。

 

一億総活躍社会

「一億総活躍社会は、平成28年6月2日の閣議決定で、⼥性も男性も、お年寄りも若者も、⼀度失敗を経験した⽅も、障害や難病のある⽅も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会である」

起業を目指す人間にとって、失業認定を肯定するような表現はどこにも見当たりませんでした。
どれだけ年をとっても、働く意志があって、会社に就職しないでも、いつでもどこでも働ける職場環境の一つとして、起業もまたこの制度に相応しい動きだと思います。

 

ハローワークでの手続き

 

ハローワークで必要な書類

❶会社から受け取った雇用保険被保険者離職票1・2
❷印鑑
❸写真2枚
❹本人名義の普通預金通帳
❺マイナンバー確認証明書及び運転免許証などの本人確認証明書、
❻「求職申込書」に所定の事項を書き込み窓口に提出します(ハローワークに備え付き)

受給資格決定後の説明

❶失業保険を申し込みした日から7日間は待機期間であること。
❷待機期間の7日間は賃金を伴う労働を原則禁止していること。
❸雇用保険受給説明会の説明を受け参加日時を決定させること。
❹申し込み日から28日後に行われる第1回失業認定日について。最後に「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」を受け取ります。

失業保険の受給説明会

ハローワークに行った日から1~3週間後に求職活動や不正受給などに関する失業保険の受給説明会が行われます。持ち物は、雇用保険受給資格者のしおり、印鑑、筆記用具、ハローワークカードです。
当日は、ハローワークカードを受付に提出、雇用保険受給資格者証を受け取ります。

雇用保険受給資格者証とは、支給番号や被保険者番号、認定日、基本手当日額、所定給付日数等が記載されている失業保険の受給者である証明書のことです。

 

失業の状態とは

❶積極的に就職しようとする強い意志がある
❷いつでも就職できる状況で健康状態もいい
❸一生懸命仕事を探しているにもかかわらず仕事がみつからないため現在職業に就いていない

 

求職者給付を受けることが出来ない(原則)
(失業の状態ではない)

◆病気やケガですぐに就職できない
◆妊娠、出産、育児などですぐに就職できない
◆親族の看護などですぐに就職できない
◆定年などにより離職してしばらくの間休養する
◆結婚して家事に専念し就職を希望しない
◆家事手伝い・農業・商業・家業に従事し就職できない
◆自営業(準備を含みます)をしている
◆会社などの役員に就任している
◆就職(見習い、試用期間、研修期間を含み、収入の有無を問いません)している
学業に専念する(昼間の学校に通っていてすぐに就職することができない)。
◆次の就職が決まっている(雇用予約・内定を含む)


失業認定とは

失業保険の認定とは、ハローワークが求職活動をしている本人が、本当に失業しているかどうかを確認する作業のことです。

原則4週間に1度の割合で、必ず本人が出向きハローワークで認定を受けます。4週間(=28日間)ごとに失業状態であることが認められると、28日分の失業保険が給付されるます。

ハローワークに行っている途中で就職が決まれば、失業保険の給付はストップして日割り計算になります。最初にハローワークに行った日によって、失業保険の失業認定日の訪問日及び時間帯が決定されます。

仕事がしたい!仕事を探している!就職活動を具体的に証明しなければなりません。「会社に就職しないため就職活動はしませんでした」は失業認定失格になります。

たとえ起業が前提であっても「起業は一つの選択肢として考えており今は就職活動に専念している」としなければ失業認定を受けることは出来ません。

従って、ハローワークの一般相談員や専門職相談員、都道府県管轄のジョブパークの高齢者専門職相談員などと面談する場合も、起業のためのスキルを身に着ける手段や方法について相談をしても、そのスキルが再就職にも生かせることを前提として相談していくことが、失業認定を受ける最善策だと思いました。

 

 

ハローワークでの活動経緯

1.在職中に会社から「離職票」を入手

2.2015年11月15日に60歳で定年退職

3.2015年11月24日にハローワークで失業保険
   の受給資格を受ける(受給資格決定日)。
   初めてハローワークに行き「求職申込書」と
   離職票」を提出し就業希望等の聴取受ける。
   「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」
   「雇用保険受給資格者証」
   「ハローワーク カード」を受領。


4.2015年11月30日に7日間の待機期間が満了
  自己都合の場合7日+約 3ヶ月受給が遅れる。
  会社都合の場合8日後から失業手当の支給対象
  期間となる。60歳定年退職は会社都合。

5.2015年12月3日に雇用保険説明会に参加
  雇用保険の失業給付について2時間講習
 ( 1回目の失業認定要件取得)

6.2015年12月3日に職業相談実施
 コンピュータの基礎セミナー参加を相談
( 2回目の失業認定要件取得)

7.2015年12月15日に失業認定を受ける。
  3日の講習と同日の職業相談の 2回で了承。
 支給期間12月1日~12月14日の14日間
(第一回失業認定終了)
93,996円入金。

8.2015年12月15日に職業相談実施
 インターネットの基礎セミナー参加を相談
( 3回目の失業認定要件取得)

9.2016年1月15日に職業相談実施
 商工会議所主催のセミナー受講の相談
( 4回目の失業認定要件取得)

10.2016年1月19日に失業認定を受ける。
 12月15日と1月15日の 2回で認定了承。
 支給期間12月15日~1月18日までの35日間
(第二回失業認定終了)
234,990円入金。

11.2016年1月19日に職業相談実施
 民間事業者主催のWebセミナー受講の相談
( 5回目の失業認定要件取得)

12.2016年1月20日にジョブパークで職業相談
 現在の就業活動報告と今後の活動を相談
( 6回目の失業認定要件取得)

13.2016年2月16日に失業認定を受ける。
 1月19日と1月20日の 2回で了承。
支給期間1月19日~2月15日までの 28日間
(第三回失業認定終了)
187,992円入金。

14・2016年2月16日に職業相談実施
 一般教育訓練受講に関する相談
( 7回目の失業認定要件取得)

15.2016年2月17日ジョブパークで職業相談
 高齢者就業カウンセラーと今後の活動相談
( 8回目の失業認定要件取得)

16.2016年3月15日に失業認定を受ける。
 2月16日と 2月17日の2回で認定。支給
期間2月16日~3月14日までの 28日間。
(第四回失業認定終了)
187,992円入金。

17.2016年3月15日に職業相談実施
 職業訓練学校入学条件について相談
( 9回目の失業認定要件取得)

18.2016年4月8日に職業相談実施
 介護事業現地研修会参加の相談
( 10回目の失業認定要件取得)

19.2016年4月12日に失業認定を受ける。
  3月15日と4月8日2回で認定了承。
支給期間は3月15日~4月11日の 28日間。
(第五回失業認定終了)
187,992円入金。

20.2016年4月12日に職業相談実施
  インターネットの学習の報告と相談
( 11回目の失業認定要件取得)

21.2016年5月6日に職業相談実施
  Webマーケティングの学習の活動と相談
( 12回目の失業認定要件取得)

22.2016年5月10日に失業認定受ける。
  4月12日と5月6日の2回で失業認定終了。
支給期間4月12日~4月28日の17日間
(第六回失業認定終了)
114,138円入金。

失業認定を受けるには、 12回の面談がありました。
学びたいスキルにおいて、様々な研修制度が用意されていました。受講することは可能でしたが、若年層の求職を支援したものであったため辞退しました。
失業給付金は150日間で1,007,100円受領しました。

ハローワーク以外の求職活動は、別途、活動証明書に押印が必要であり、ハローワークに提出しなければ失業認定を受けることが出来ませんでした

最後に

退職後の不安に健康とお金はつきものですが、趣味と実益を兼ねた仕事が、生き甲斐と生活のゆとりを生むと期待しています。
年老いても、体が動かなくても、生涯に渡ってずっ~と出来る仕事を探したいと思いました。60歳からの生き方もまた失敗を恐れず頑張って行きたいと思います。

 

 

 

【参考】雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり

基本手当等の支給について38の目次

1 雇用保険を受けることができる人は?
2 失業の状態とは?
3 雇用保険受給資格者証の見方
4 基本手当の日額と給付日数は?
5 基本手当の支給を受けることができる期間は?
6 スタートは仕事探しの申込み
7 受給資格決定日からの「待期」
8 支給が始まるのは(給付制限がない場合)
9 離職理由によって3か月の給付制限があります
10 支給をまったく受けないうちに次の仕事が決まったら
11 失業の認定とは?
12 失業認定申告書の書き方
13 求職活動実績とは?
14 求職活動実績にはどんなものがあるの?
15 基本手当の支払いについて
16 受給期間の延長とは?
17 紹介拒否などによる給付制限とは?
18 認定日にハローワーク等に来所しなかったときは?
19 認定日の変更について
20 就職または事業を開始することが決まったときは?
21 再就職手当について
22 再就職手当を活用しましょう
23 再就職手当の手続きは?
24 再就職手当受給後にも給付があります
25 就業手当について
26 常用就職支度手当について
27 その他の就職促進給付について
28 就職した後に、再び離職したときは?
29 氏名や住所を変更するときは
30 安定所長・地方運輸局長の指示により公共職業訓練等を受講するときは?
31 病気やけがで働けなくなったときは?
32 もし、受給資格者本人が受給中に亡くなったときは?
33 失業等給付は正しく受給しましょう
34 処分に不服があるときは?
35 教育訓練給付について
36 雇用継続給付について
37 雇用保険と老齢厚生年金等との併給調整について
38 国民健康保険料(税)の軽減について