1株36円に1千万円の老後資金が消えた教訓とは2022

1株36円にただただ衝撃

「当社普通株式70,384,700株を1株に併合し、割当予定先以外の当社の少数株主の皆様に対し、総額で約25億円(1株当たり36円)の金銭を交付すること(以下「本株式併合」といいます。)を決議いたしました」

何ごとが起きたのか、初めて聞く報道を何度も読み返したが、

「1株36円で買取る」という、一方的な通告のようだった。

この現実をどう解釈しなければならないのか?

いま、しなければならないことは何なのか?

誰かに相談したいが、普段からオンライン上で取引しているため知り合いはいない。

こういう時のために、証券会社との繋がりをもっておけばよかったと後悔した。

事態を招いた会社の報道をスクロールしたが、現実に矛盾は無かった。

いま起きていることは、当然の結果として迎えた現実だと解釈した。

経営判断による過剰な投資と失敗、さらに不正製造による立て直しと、

1株36円の通告を理解するのに、多くの時間は必要なかった。

会社は債務超過で事実上倒産の危機を迎え、

生き延びる手段として「1株を36円で買取る」選択をしたようだった。

信じられない現実に、一株主として受け入れるしかなかった。

そうは言っても、紙くず同然になった株のお陰で、老後資金が無くなった。

この結果からどう前向きに対処できるか、時間が必要だったが、

先ずは、全株を売りに出そうとしたが、売り一色で売買は出来なかった。

少しでも高く売って、損失を最小限にと思う反面、

いま売れなくても、36円で買取ってくれる。

投げやりな思いもあり、気持ちは空回りしていた。

2桁違う株価に、現実を注視できなかった。

このまま放置しても大差はないと、開き直る気持ちが交錯していた。

一方でまだ奇跡が起きるかも知れないと、思っている自分に腹立たしかった。

往生際が悪い自分に、怒りと焦りを収めることは出来なかった。

成行でポチったら63円で売れた

市場では16日、2日連続のストップ安で220円まで下落した。

東京証券取引所で値幅制限の下限を1円に設定、途端に売買が活発になった。

ストップ安とストップ高が続く最中、早く売り抜けるだけだった。

すでに手遅れか、この現実に、自分の判断の甘さと虚しさがこみ上げた。

報道から3日目、市場の動きが活発になっていることに気付き、

いぶかしげに成行(なりゆき)で、13000株ポチったら全部63円で直ぐに売れた。

良かったのか、悪かったのか分からないが、これで全てが終わったと思った。

36円に近付くにつれ、市場ではマネーゲームが始まったようだった。

死骸をむさぼるハゲタカの光景が浮かんだ。

デイトレーダーにとって、会社への愛着や信頼、思いなど何も無い。

少しでも安く買い、少しでも高く売って儲けることがミッションだ。

自分も63円で売った80数万円のお金を元手に、

自分もデイトレーダーが出来ると思ったが、余りにも悲しい冗談だった。

お金の損失もそうだが、自分の判断の甘さに情けなさと虚しさがこみ上げる。

しかしながら、そのマネーゲームのお陰で売れたのは事実だった。

結局は、いつの間にか自分もマネーゲームの当事者だった。

マネーゲーム\(^o^)/。

株は投資であり、常に自己責任の世界だ。

正常性バイアス

会社の業績とプレス発表の内容、業界紙のスクープから、

紙くずの不安があるかも知れないと同僚と話していたことを思い出す。

なぜか当事者にも関わらず、他人事の会話をしていた。

会社も社員も疲弊していることに同情した。

会社のこれまでの数々の不手際に、社員も株主も不信感と警戒心を持ちながらも、

なぜか、「自分だけは大丈夫!」という、

会社はダメでも自分は大丈夫と、意味不明な破綻した論理に、

「正常性バイアス」を形成していた。

予期せぬ出来事に、「ありえない」という先入観と偏見(バイアス)が、

正常の範囲であると無理やり認識させていたようだ。

退社してからも、一株主であり続けたことの自己責任に間違いないが、

40年勤めた会社への愛着と不死鳥のごとく飛び立つ期待感が大きかった。

恋は盲目のごとくか?鳥の目、虫の目、魚の目でコンサルしてきた自分が、

いざ自分のこととなると、何も出来なかったことが一番情けない。

売るに売れない現実

もう一方の現実に、売るに売れない現実があった。

社員が「持ち株会」で保有している株は、直ぐ市場では売れない。

売るには「持ち株会」に、名義変更を申請して承認を得た後に、

個人名義に変更してから売買できるシステムになっている。

今更インサイダーの検証も必要無いと思うが、手続きにも時間がかかる。

従業員は成す術も無く、株価の動きを、ただじっと見守るしか出来ない。

従業員は蚊帳の外におかれ、部外者のごとく扱われている現実も悲しい。

後悔先に立たず

退職と同時に、安全性と快適性を備えた終の棲家に住むため、

現役時代からリフォームを繰り返してきたが、

カギを持って出るのを忘れる91歳の義母の安全性を確保するために、

急遽、顔認証用の玄関にリフォームしたのを最後に、1株36円事件が起きた。

1つ間違えれば、老後破綻まっしぐらの状況に陥っていた。

世間的には退職と同時に、自社株を一括清算するのが一般的のようだったが、

退職時、飛ぶ鳥を落とす勢いの会社に、さらに上を目指す期待感が高かった。

また、年2回の相当金収入も大いに魅力だった。

年金以外の収入ルートを残すことは必要な選択肢だった。

一方、一挙に高額なお金を手にすることで、

宝くじの高額当選者のように、人生観が変わる恐れもよぎった。

ローンの返済以外に、差し迫った具体的な使用目的が無かったことも、

一括売却しなかった理由でもあった。

人生100年時代には、必要に応じて売却することが最善だと考えていた。

分散投資に切り替えた矢先

勤務時は持ち株会社で年間100万円の積み立て投資を行っていた。

自分が勤めている自社株を買うことは、財形貯蓄以上に高率で増えると考えていた。

事実「ドルコスト平均法」による投資は、着実に資産を積み上げていった。

「ドルコスト平均法」http://hidejiji.com/wp-admin/post.php?post=1395&action=edit

一方、金融資産が1社の株で占められていることに不安があるのも事実だった。

そのため、2018年から始まった長期・積立・分散の「つみたてNISA」に、

開始と同時に申し込みリスク分散を図った。

2021年に妻の分も追加し、2人で年間80万円のリスク分散を速めた。

債権、株式、リート、国内、先進国、新興国を網羅した

野村証券のNISA https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/glossary/index.html

に大いに期待が高まった。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、投資先を複数に分散し

当時の運用成績が累積で、平成28年度まで69兆円のプラス収益があり、

年率3.39%の収益率を確保していた実績を評価し投資手法を見習ったものだった。

大難小難神仏からのメッセージ

1株36円事件が起きたとき、全体の半分程度の株はすでに売却していました。

売却総額は2000万円強で、売却単価の平均は1700円ほどでした。

今回の一株63円事件で清算した金額を加えると800円台まで落ちました。

辛うじて、購入した時の平均単価を上回って幕を閉じました。

結果的に、投資した金額は回収したことになるのでしょうか?

実際の損失がいくらなのか?

今までの配当金も考慮しなければならないのか?

そう考えると、まるっきり大損した訳では無いという理屈も成り立つようですが、

考えれば考えるほど、自己責任による、痛い現実があるだけです。

玄関リフォーム決済後といい、平均単価を上回ったといい、

これ以上、欲をかくな!との、神仏のメッセージかも・・・

「何でもいいように考えなさい!」と、いつも優しく言ってくれた、

信頼していた古市真観さんの言葉が心に刺さりました。

新しいビジネスモデルで成功していた会社も今は見る影も無く。

自ら自滅してしまいましたが、そこから自分は何を学び、

どう行動するかが自分へのメッセージだと考えるようにしました。

教訓1:個別銘柄は危険!

あまりにも常識なのでしょうが、個別銘柄は危険の一文字ですね。

保有資産が多く、企業業績も高く、財務内容も安定している、

結果、株価も安定し、配当利回りが高い株を「資産株」と言うようですが、

企業は、世界マーケットを戦場に実績があるからこそ日本にも本社がある。

そういう会社でないと、日本で生き残る可能性は低いように思います。

日本に資産株って呼べる会社って、本当にあるんでしょうか?

資産株と言えども、個別銘柄として、投資するのは危険!

教訓2:計画を予算化すること

年2回の配当金が、老後の生活費として必須だと考え株の売却を考えませんでしたが、

業績悪化で配当金が途絶えた状態に陥っても、会社の状況分析と調査を怠っていました。

根拠のない、多分大丈夫!との、正常性バイアスが働いていたようです。

結局、状況変化に何の反応もしなかった、つけが回ってきただけでした。

高額なお金を手にすると人生観が変わると、

聞いたようなことを言っていたのが情けないですね。

退職前から棺桶に入るまでの、バケットリストを長年に渡って作成していました。

作った計画をほくそ笑みながら、予算設定をしていませんでした。

将来の計画に対して、予算計画と銀行預金しなかったことが悔やまれます。

一方で、人生100年の、年代ごとの収支計画も立てていました。

夫婦が健在のときの費用、旅行や飲食費の、年代ごとの費用シミュレーション。

妻が1人になったときの、遺族年金で不足する金額のシミュレーションもしていましたが、

将来のシミュレーション対して、銀行預金をしなかったことが最大の過ちです。

だからこそ、教訓から学ぶことは、

今必要なことは何か?

その為に何をすべきか?

予算はいくら?

これからの生活に、この過ちを生かす必要があると思いました。

日々生かされているのは、目的と計画があるからなのですね。

参考:上場廃止条件?

2020年末時点での上場株式数は3,756社、一方で、57社が上場廃止となっています。

上場の審査基準、東証一部、「株主数が800人以上」「時価総額が250億円以上」

①株主数、②売買高、③流通株式数、④有価証券報告書等の提出遅延、⑤流通株式時価総額、⑥虚偽記載又は不適正意見等、⑦流通株式比率、⑧特設注意市場銘柄等、⑨時価総額、⑩上場契約違反等、⑪債務超過、⑫その他

「⑪債務超過」は1年以内に解消されなかった場合、「⑥虚偽記載又は不適正意見等」は有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合などと細かい条件が設定されており、これらに当てはまってしまった場合は上場廃止となります。

参考:上場廃止株とは?

上場廃止株とは、証券取引所で自由に株の売買ができなくなる措置を取られた株のことを言います。上場廃止になった株は株式市場で取引はできなくなります。しかし、株主としての権利は残ります。

ここで言う株主の権利とは、決議権・利益分配を受ける権利・残余財産の分配権利といった権利です。そのため、上場廃止株となった場合には、株式市場を通じた自由な取引ができなくなります。

参考:上場廃止の流れ?

証券取引所では、上場銘柄が上場廃止基準に該当するおそれがある場合、

そ一定期間、監理銘柄に指定して売買を行わせます。

上場廃止となる可能性が高い銘柄を投資家に周知させるのが主な目的です。

監理銘柄に指定された後に上場廃止基準に該当するおそれがなくなれば、

再び通常銘柄として取引されます。

上場廃止が決定した場合には、整理銘柄として銘柄の売買が行われます。

整理銘柄とは、上場廃止によって流通性が低下することを、

投資家に注意させるために設けた制度です。

上場廃止が決まってすぐに取引停止にしてしまうと、投資家が売買するのが難しくなるため、原則として1カ月間は整理銘柄と指定され、その後上場廃止になります。