義母が「カギ」をかけ忘れないための衝撃の行動2023

定年退職前のこころ構え「大島紬の作務衣を作る夫婦の会話」

仙台に居たとき、夜明け前に車を飛ばし遠刈田温泉の神の湯によく通った。
週末は80km離れた山里にある鳴子温泉にも泊まり歩いた。

栗駒山の登山口にある須川高原温泉は、無限に溢れる源泉かけ流しの
加水加温なしの天井の湯だ。

源泉かけ流しの加水加温なしの旅館はどこも宿泊料金が安く、
お膳を彩る食材を活かした素朴な料理は三ツ星以上だった。

残念ながら、今住んで居る関西に火山がない。

東北と同じ風情の泉質を探しても、鉄分が多く含む茶褐色の有馬温泉の濁り湯は宿泊料が高い。青森にある不老不死温泉は、泉温52.2℃の1分間に400Lを湧出する源泉かけ流しの茶褐色のお湯は、湯船に浸かると一瞬にして全身の毒素を洗い流し、身も心もリセットしてくれるがこの上もなく安い。

無いものねだりは良くないが、関西にも源泉かけ流しの施設はいくつもあるが、
加温しているため光熱費がかかり、人件費も高く高級ブランド牛を提供するため、
全てが高くなる。

記念日やお祝いで温泉に行く人はいいが、温泉の自浄効果を知った人間には、
一にも二にも温泉を楽しみたい。日々のたゆまない源泉かけ流しの検索から、
六甲アイランドにある「神戸ベイシェラトンホテル」が目に留まった。

一番は、宿泊料が安いこと。

二番は、源泉かけ流しの自家源泉があること。

三番は、家から80km離れた四方海に囲まれたホテルは、神戸の夜景と共に、
非日常を味わえる手頃な距離にあり、行きも帰りも新たな発見の可能性があった。

神戸ベイシェラトンホテル&タワーズは、地上21階で6階~13階がシェラトンフロア、14階から16階がプリファードフロア、17階から20階の上層階が高級なクラブフロアである。レストランは、1階に大衆的なテラスレストラン、2階に中国料理、日本料理の専門のレストラン、最上階の21階には神戸港・六甲山を見渡せるダイニング、鉄板焼、スカイラウンジがある。

温泉施設は別棟の3階にあるが、スリッパで館内を移動できるものの浴衣着用は禁止だ。クラブフロアと12階のレディースフロアの宿泊者は、浴衣のまま温泉直通のエレベーターを使う。

予約したのは16階で、夕食も朝食もバイキングと呼ばれるブッフェで1階のレストランだ。2人24,000円の宿泊料は最も安いプランで、東北の源泉かけ流しの温泉と同じ金額だ。ホテルのチェックインは15時、チェックアウト12時、旅館はどこも10時がチェックアウトなので朝がゆっくりできて何よりだ。また、駐車料金が24時間まで無料というのも良かった。

2回目もほぼ同じ金額で泊まったが、3回目泊まるときは「作務衣」を持って行こうと思った。

クラブフロアとレディースフロアの宿泊者は、浴衣のまま温泉直通のエレベーターで降り、スッと浴衣を脱ぎスッと風呂に入るが、安い客はそうはいかない。服を脱いだり着たり面倒極まりない。服を脱ぐのはしょうがないとしても、湯上りに服を着直すのは許せない。そのため、部屋に入ったらパンツ一で浴衣に着替え温泉に直行できる「作務衣」が必須だと思った。

作務衣をネットで調べると、外国製の綿素材は数千円、日本製の高品質の綿素材は1万~2万円、日本製の綿とポリエステルの混紡は1万円、日本製の麻100%は4万円、、日本製のウール素材が4万円、大島紬風の亀甲柄の綿素材は2万円、大島紬の外出用の作務衣は20万位だった。

着物問屋で働いてから友禅職人に転職した妻と一緒に専門店に行った。

「この綿ポリの生地、つやもいいしーどう?」と、妻に進言。

「若旦那というより、従業員かな!」と、妻が、ぼそり。

確かに、鏡に映る姿は居酒屋や旅館でよく見かけた光景だった。

「確かに!」と、私。

大島紬の作務衣をハンガーから外して「コレ、いいねぇー」と、私。

妻は、「ふう~ん」と気のない返事。

十数万円の作務衣なんて、もともと論外だったが店を出るための会話だった。

帰り際車に乗り込んで、「作ろうか!」と、妻がーまた、ぼそり。
考えてみたら、浴衣で作った作務衣を何回も着ていたのを思い出した。

しばらくして、外国人が激減した新京極の「さくら」という古着の店に行った。
大島紬モドキの亀甲柄の羽織を3,500円で買った。妻の指示で、何着も着替えさせられ、作務衣がしたてられる大きめの羽織を選んだ。

また、しばらくして、外国人が激減した奈良公園の近くの「さくら」に行った。
今度は女物柄の大島紬モドキの着物を3,300円で買った。
本場大島紬の「証紙」がある泥染めの反物を手に取った。妻の目は肥えていた。

妻が言うには、「銘仙は先染めの平織りのれっきとした絹織物」だとか、それでも、秩父銘仙、伊勢崎銘仙、足利銘仙、桐生、八王子、川越といろいろあり、桐生は京都の西陣と並び歴史の古い織物産地で、西の西陣 東の桐生と言われたとか・・

落語家の立川談慶さんが、「呉服屋、スナック、新聞販売店の3つの業種が、落語家と同じくらい不況に強く、なかなか潰れない業種である」との記事をみた。

確かにそうかも知れないと思った。

何故なら、妻の親友の呉服商が「北海道の売り出しが中止なって、返ってきた荷物の整理が大変だ」と聞かされたばかりだった。明らかに、コロナのせいだった。
考えてみると、妻の知り合いの友禅作家はいまだ健在だ。
外国産に押されているとはいうものの商売が続いているのは有難いことだ。

大島紬などブランドものの響きはいいが、何世代にも渡って使い続ける覚悟はない。
本物よりも、今使える居心地がいいものがいい。
3回目に泊まりに行くのが楽しみだ!

義母が「カギ」をかけ忘れないために衝撃の行動2023

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