鈴虫寺の鈴虫説法は、釈迦の教えをユーモアで楽しく伝えていた2020

座ってから気付いた、虫は嫌いだった。

世界遺産でも国宝でもない鈴虫寺に大勢の人が訪れている。
京都駅から北西方向に、入り組んだ道をバスで1時間、タクシーで30分。
バス停から歩いて数分先の石段の上に、「鈴虫」「わらじを履いたお地蔵さん」
有名なお寺がある。苔寺からの帰り、駐車場に向かう途中に鈴虫寺の標識がある。
コロナ禍でもあるし、もう来ることも無いと思い、ついでに寄ってみた

受付を済ませ長机が幾重にも列をなし、両脇に座布団が敷かれた大広間に通され、
大広間の書院正面にある賽銭箱ほどの、箱が横一列に並ぶ最前列に案内された。

鈴虫寺の名の由来通り、全ての箱に鈴虫がぎっしり群がっていた。
竹細工の箱に数匹飼われていると、勝手に想像していたが大間違いだった。

何匹か籠から抜け出し飛んでいた。ゴキブリより上品な感じはするものの、
追尾しながら、ときおり襲ってきそうな気配に、身をかわし座っていた
ソーシャルディスタンスで客が座り終えると、副住職の漫談が始まった

つかみは漫談で説法で場を一変させた!

口コミに、「人生長くやっているので、いまさら説法を聞く年齢ではないので境内で休憩」というコメントがあった。その時までは、投稿者と同じ気分だったが、説法がはじまると場が一変した

話し出すと売れっ子の漫才師のごとく、瞬時に客の心をつかんだ
僧侶の話に、ほぼ全員が引き込まれていた
境内での休憩に、立ち上がって出て行く勇気も気概も無くなった。



こんな不便な場所の小さな寺に、コロナ禍の最中にも関わらず、これだけの人が集まるのは凄いと思った。全国に75,0000のお寺があるなかで、既に20,000軒が空き寺院といわれ、消滅するお寺も今後増え続けると言われている。
お寺の年間収入も300万円未満が45%、50万円未満が10%とのこと。
先が見通せない寺が多い中、鈴虫寺は副住職の説法のおかげか
お地蔵さんのご利益のおかげか、鈴虫寺は十二分に運営されているようだ。

説法を聞くために、人が押し寄せる!

苔寺より賑わっている鈴虫寺は、お盆ともなれば炎天下で3時間待ちの列ができるようだ。副住職の説法を聞きに御守りを貰うことに、全国から人が押し寄せる

満席で250人、待ち時間3時間は、1日何人が参拝するのか思わず皮算用したくなるが、今はソーシャルディスタンスで一度に100人以下に制限しているとしても、拝観料500円にお守り300円、御朱印等々で十分な収入が見込まれ、副住職がいる間は安泰だ

お寺が専業で運営するには、檀家が200軒から300軒以上ないと難しいようだ。
「墓はいらない、散骨でいい」との遺言を真に受けないまでも、昨今は家族葬など葬儀や法事を質素に簡略化する風潮があり、時代の変化とともに専業は困難なようだ。


檀家離れが進んでおり、僧侶派遣サービスが重宝されている。
檀家のニーズとお寺のニーズはすでにかけ離れたところにある。
法事や葬儀で接点を持っていた関係は、今はその繋がりに心は通わない
お寺の役割は・・・お寺に何を期待するのか?自分で考えるしか無いようだ。

わかりやすく、人に聞く耳を持たせる!

鈴虫寺の口コミに、
「小さなお寺ですが人が集まる理由がわかります・・」
「お説教はなるほどと思える事ばかり・・」
「並んだかいがあり並んでも聞きたい説法・・」
「3度目の訪問楽しく面白い説法はあっという間・・」
「何回来てもお話を聞くのが楽しいいつも落ち着く・・」
「帰るときはいつも晴れ晴れとした気持ちで何度行っても心が洗われる・・」
「以前お願いしたお礼と再度のお願いの訪問・・」
「お地蔵様が草履を履いて願いを叶えるために自宅を訪れて頂ける・・」

また、4歳と2歳の子をつれ2回目のお参りにきたお母さんが、子供に気を配りながらも、自分の心情を見透かした説法に感謝しつつ、帰りのタクシーがすぐに見つかったことに安堵した様子が、寸暇を惜しんできたお母さんの心情が愛おしく思った。

自力本願が願いを叶え、人が集まる!

口コミには当然賛否があるが、何度も訪れる人が多いのは確かなようだ。これだけ多くの人が集まる副住職には、仏教への自分なりの思いがあるのかも知れない。

ただ、念仏を唱えれば幸せになれる??
多くのお布施をすれば願いが叶う??
難しい漢字を朝から晩まで唱えるだけの修行??

自分が人をよく見れば、自分も人もよくなる!!
自分が人の話をよく聞けば自分も人もよくなる!!
自分を変えることで結果として目的が叶う!!

悩んでいることがあれば、自分を振り返り、自らの誤りを修正し、
正しい思いを構築し、自分の行動力で換えて行く者こそ、
願いを叶えることができる。と言っているようだった。

鈴虫寺のファンは、難しい題目を念じなくても、願いを叶える秘訣を得とくしており、結果として、お地蔵さんのファンも増える、ウィンウィンの関係があるようだ。

まさにお釈迦さんの教えのように、嫌なことから逃れようとするのでは無く、
正しく見る。
正しく思う。
正しく語る。
正しく仕事をする。
正しく生活する。
正しく道に精進する。
正しく念ずる。
正しく定に入る。
八正道(はっしょうどう)を、鈴虫寺の副住職は身をもって、
ユーモアとやさしさで、わかりやすく楽しく話しかけていたようだ。

願いが叶うと評判の鈴虫寺は、副住職のユーモアが、多くの聞く人の心を動かし、
正しい生活を実践させ、お地蔵さんのご利益を享受しているようだ。

お寺にとって釈迦の教えをユーモアでわかりやすく楽しく話しかけることが
本当の修行なのかも知れない!