店舗でゲロを吐いた時の処理とクレーマー対策

吐物(とぶつ)処理の現状

病院、開業医、薬局、介護施設等の医療施設等には、患者がおう吐(ゲロ)した場合、安全に万全を期して掃除するマニュアルがあります。

一方、スーパー、コンビニ、レストラン、理髪店、美容院等々で、お客さんが、おう吐した場合しっかり掃除できるマニュアルは準備出来ているでしょうか?

風邪で吐いたのか
二日酔いで吐いたのか
食べ過ぎで吐いたのか?
ノロウイルスで吐いたのか

 吐しゃ直後、吐しゃ物が安全か感染性があるかどうかその危険度は分かりません。人が多く出入りする場所で、突然、お客さんが吐いたとき、お客さんの安全を守る感染知識と掃除技能が必要です。

医療関係者や知識人が退職後、時間や暇を持て余しています。その人たちが生活するところにおいて、もしおう吐する人がいた場合、適切な対処が出来ない人を見つけた場合、或いはその当事者であった場合など、その適切に対処出来ない未熟な人たちを教育と称し、不適切な掃除や感染対策違反の未熟さを執拗に指摘することが考えられます。

 そのような有事を想定した対策と事前準備が必要になってきます。そのため以下の手順で不測の事態を想定してみて下さい。

 ステップ1:案内と告知(おう吐直後)

「今から吐しゃ物の掃除をします」
周辺の人に口頭で案内します。

「当店のルールに従って行いますのでご了承下さい」吐しゃした本人と周辺の人に告知します。
まれに、吐いた本人や家族から

「俺のゲロはそんなに汚いのか?」と言われたら
「社内規定に、吐しゃ物処理マニュアルがあるため、その指示に従い処置しますのでご安心下さい!」

と笑顔で丁寧に毅然と説明します。窓を開け換気し、周辺の人を掃除の場所から退去して貰います。

 

ステップ2:実践トレーニング

進行➀
二畳サイズのブルーシートを広げます。
ステップ3の要領を覚えて貰います。

進行②
テーブルに❶から❾を並べて置きます。

進行③
出席者は10人位ブルーシートの周りに
立って 貰います。
「終わってから感想を一人ひとり聞きます」
とアナウンスします。
全員の緊張感をあおります。

進行④
「誰かトレーニングしたい人いませんか?」
2人希望を募ります。

進行⑤
誰も名乗りでなければ二人を選任します。

進行⑥
2人でテーブルの物を自由に着けて貰います。
手袋は2枚装着する必要がありますが・・
進行者は何も語らず見るだけ

進行⑦
進行者が、ブルーシートにしゃもじで
すくった 卵入りおかゆを1メートル上
から落とします。
半径2メートルに飛び散ります。
卵入りのおかゆはゲロと同じです。

以下、ステップ3を実践して貰います。
◎トレーニングで最も大事なことは、
掃除をする人が自らが感染しないこと。
◎床を拭くとき、ひざをつかない。
◎手袋やガウンを脱ぐとき汚物に触らない。

 

トレーニングに準備するもの

❶使い捨て手袋2枚(最初から身に着ける)
❷使い捨て靴カバー(無い場合はスーパーの袋)
❸使い捨てマスク
❹使い捨てエプロン又はガウン
❺大型ゴム袋2枚
❻使い捨てヘラ(段ボール紙を切っておく)
❼新聞紙(多めに)
❽ペーパータオル
❾次亜塩素酸ナトリウム(家庭用のものを薄めておく)
❿ブルーシート(ホームセンターで購入)
⓫卵入りおかゆ(レトルトパック一袋)
⓬しゃもじ(おかゆをすくって落とすため)

 

ステップ3:(1)~(11)の順序で行う。

 

  1. ゴミ袋を中と外に二重に重ねて口を広げて置きます
  2. 吐しゃ物を新聞紙で広くおおいます
  3. 次亜塩素酸ナトリウムを新聞紙の上からたっぷりかけます
  4. 外から内にむけ包み込むようにふき取りゴミ袋に入れます
  5. ヘラを使って残っている汚物をすくいます
  6. 二枚重ねの手袋の一枚をはぎ、ゴミ袋に捨てます
  7. 内側のゴミ袋に次亜塩素酸ナトリウムをたっぷりいれ
    封をします
  8. 汚物のあった床一面をペーパータオルで覆い
  9. 次亜塩素酸ナトリウムをたっぷりかけ10分間放置します。
  10. 10分後床一面のペーパータオルを回収しゴミ袋に
    入れます。
  11. 着ているモノを内側にまるめるように脱ぎ捨て
    ゴミ袋に入れ封印します。

最後、終わってからまわりで見ていた一人ひとりに
実演者の良かったところ、直すところを聞き出します。
ぜひ、仕事場だけで無く家庭でも通用しますので
トレーニングしてみて下さい。
どうもありがとうございました。

 

厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A

(作 成:平成16年2月 4 日)
(最終改訂:平成27年6月30日)を参照。
以下、原文です。

Q19 患者のふん便や吐ぶつを処理する際の注意

ノロウイルスが感染増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便10と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。

12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。

床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じて
ふん便等を包み込みます。
おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に 密閉して廃棄します。この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。

また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に 入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しない うちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後は ウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に 喚気を行うことが感染防止に重要です。

11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスに よる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢 便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることが ありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。
参考:ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告はこちら

 

Q20 吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に 付着した場合

はどのように処理をすればよいですか。リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように 処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。
下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1 分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム※の消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。
また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除を
する必要があります。次亜塩素酸ナトリウム※には漂白作用があります。薬剤の「使用上の注意」を確認してください。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)