「聞かなくていい!」薬剤師は患者を守る最後の砦!

 

 

調剤薬局の待合室で事件が起きました。

二言三言のやりとりの末、患者は怒って出て行きました。

 

待合室に居る私は、クレーマーかも知れない?と思いつつ

無関心を装い興味津々で聞き入ってました。

 

耳をそば立て、薬剤師と患者の会話を聞きながら

薬剤師の説明、下手だなぁーと思いながら・・

イヤーー、ヘタと言うより、型通りの説明では・・?

薬剤師は、一生懸命でしたが、自分の都合ばかりで

患者の説得は無理だろうなぁーと思いましたが

案の定、患者は怒って帰ってしまいました。

 

 

患 者:処方箋を「お願いします」と言って受付に出しました。

薬剤師:処方箋を見るなり「すみませんが処方箋の中身について
先生に
聞く必要がありますのでしばらくお待ちください」

患 者:「医者に聞かなくていいから早くー!」

薬剤師:「服用回数が多いので・・チョット聞かないといけないので」

患 者:「そんなのーどうでもいいから。 早くしてよー」
    「車、駐禁で捕まるからー」

薬剤師:「そう言われても、先生に聞かないと調剤出来ないんです」

患 者:「駐禁、捕まったら払ってくれるのー」

薬剤師:「ルールなので先生に聞くしかないんです」

患 者:「何が先生だよ。アンタだって先生だろう。もういい。 帰る!!」

 

僅か数分の会話に、薬剤師は戸惑いながら、

同僚に視線を向けつつも、何のアドバイスも無いようで

薬剤師はなす術もなく患者を帰らせてしまいました。

 

 

薬事法で定められた文書、添付文書(てんぷぶんしょ)に

1日1回の服用と記載されている場合、

原則その内容は守らなければなりません。

仮に、処方箋に1日2回服用と医師の指示があった場合は

薬剤師は、医師に対し、医師の記入ミスなのか?

或いは、何か違う治療目的で服用回数を増やしたのか?

薬剤師は調剤する前に、医師に確認しなければなりません。

 

 

薬剤師法第24条「薬剤師は処方せん中に疑わしい点があるときは、

その処方せんを交付した医師・歯科医師又は獣医師に問い合わせて、

その疑わしい点を確かめたあとでなければ調剤してはならない。」とあります。

処方せん中に疑わしいところがある場合、薬剤師は医師に

疑義照会(ぎぎしょうかい)しなければならないと法律で決まっています。

 

薬剤師の重要な役割の一つに薬剤に関するチェック機能があります。

薬剤師法第24条は、薬剤師の義務規定であり、

これに違反すると50万円以下の罰金に科せられます。

チェック機能に関連して罰金刑を定めているのは薬剤師法だけです。

 

処方箋をみて変だと思ったら、何のためらいもなく、

疑義照会するのは、薬剤師の当然の業務です。

 

万が一、薬剤師が医師に疑義紹介しないまま、

添付文書記載の用法・用量と違った処方や調剤を行った場合、

「不適正な使用」となり、医薬品副作用被害救済制度、

国が行っている救済の対象にならない可能性があります。

 

万が一、患者が重篤な副作用に見舞われた場合、

患者を救済しようとする国の制度を妨げてはなりません。

 

私がその薬剤師だったら

❶病気を治す薬は、時には重大な副作用を起こすことがあります。

❷重篤な副作用が原因で入院した場合に患者さんを国が救済する制度があります。

❸法律で定められた服用量、服用回数を守らないと救済を受けられないことがあります。

❹忙しいと思いますが貴方の為です。

❺そのため、今しばらくお待ちください。

 

患者から、どういう制度なんだ!と聞かれたら

独立行政法人医薬品医療機器総合機構から抜粋した(平成28年4月1日現在)

以下の7項目と金額を説明して下さい。

❶医療費:自己負担分

❷医療手当:月額34,300円~36,300円

❸障害年金:年額2,205,600円~2,756,400円

❹障害児養育年金:年額690,000円~861,600円

❺遺族年金:年額2,410,800円

❻遺族一時金:7,232,400円

❼葬祭料:206,000円

 

薬剤師は薬の専門家として、薬を服用している患者の健康状態を

医師同様最新の注意を払わなければなりません。

従って、医師の処方に何の義務も持たず調剤した結果

医師と薬剤師が、共同不法行為に問われることにもなります。

まさに薬剤師は患者にとって、安心安全の最後の砦です。

患者を救う使命感がもっと強ければ、

もっと強い意志で患者を説得できたのではないかと思いました。

 

 

 

以下、薬剤師と医師の共同不法行為の判例です。

ご参照下さい。

 

千葉地方裁判所 平成12年9月12日判決(判例時報1746号115頁)

(争点)処方が適切であったか、処方と症状との因果関係、医師・薬剤師の過失

(事案)
患者A(生後4週間の新生児)は、平成7年10月16日午前11時ないし11時30分ころ、母親に帯同されてY産婦人科健康診断クリニック(Y医師が開設者)に赴き、Y医師の診察を受けた。Y医師は、Aに対し、院外処方せんを交付する方法により、マレイン酸クロルフェニラミンを含有するレクリカシロップ、リン酸ジヒドロコデイン等を成分とするフスコデシロップ等の薬剤を処方した。その際、Y医師は、風邪等に罹患した乳幼児は、ミルクの飲みが悪いので薬剤も必要量を服用しないことが多く、Aがひどい咳をしていたことを理由に能書記載の用量よりも多めに処方をした。
S薬局(Sが管理薬剤師で開設者)のS薬剤師は、処方に従い飲み薬を調剤してAに提供した。
Aの母親は、本件飲み薬を、少なくとも10月16日昼の授乳後に1回、翌17日午前10時過ぎないし11時ころの授乳後に1回、Aに1目盛分ずつ飲ませた。
その後、Aの両親は、Aの呼吸困難、チアノーゼ状態に気づいたため、午後2時ないし2時30分ころ、AをYクリニックに運び込み、Y医師は、Aに対し、酸素吸入の措置を行った。その後、Aの父親は、Y医師の指示により、AをK病院に搬送し、Aは再び酸素吸入等の措置を受けて入院し(以下「本件入院」という。)、10月24日に退院した。
Aは、その後、入通院を繰り返した。その入院日数の合計は本件入院を合わせて219日、実通院日数の合計はのべ59日である。
(損害賠償請求額)
合計575万8388円(内訳:治療費172万5748円+文書料等5万7640円+入通院慰謝料300万円+弁護士費用97万5000円)
(判決による請求認容額)
合計71万4494円(内訳:入院費用7万9824円+治療費1320円+K病院に関する弁護士照会分5000円+K病院の照会回答費用2万8350円+入通院慰謝料40万円+弁護士費用20万円)
(裁判所の判断)

処方が適切であったか  裁判所は、まず、マレイン酸クロルフェニラミンの本件飲み薬中の含有量は、Aにとっては1日量で見ると常用量の3倍ないし3.75倍、1回量で見ると常用量の4倍ないし5倍の処方となり、リン酸ジヒドロコデインの本件飲み薬中の含有量は、Aにとっては、常用量の2.4倍ないし3倍の処方となると認定しました。
そして、Aが10月16日当時生後4週間の新生児であったことに照らすと、本件飲み薬中の本件成分の含有量は常用量を大幅に上回るもので明らかに過剰であり、不適切な処方であったと判示しました。 処方と症状との因果関係  マレイン酸クロルフェニラミンには呼吸困難、チアノーゼという副作用を引き起こす可能性があり、リン酸ジヒドロコデインには呼吸抑制の副作用を引き起こす可能性があること、Aが本件飲み薬を服用して数時間で発症ないし発見されていること、本件処方が本件成分の常用量を大きく上回った過剰なものであったこと等から、原告が本件飲み薬を服用したことによって中枢性呼吸抑制が生じ、呼吸困難、チアノーゼ状態となった可能性が高いと認められると判示しました。 医師・薬剤師の過失  裁判所は、次の理由を挙げて、漫然と常用量を大幅に上回る本件処方・調剤をしたという不法行為によってAに本件症状を生ぜしめたことにつき、Y医師とS薬剤師に過失があったと判断しました。
(1)本件薬剤についてY医師・S薬剤師が能書の記載から認識すべき本件成分の含有量の過剰性や本件成分の相互作用増強防止のための薬剤量減量の必要性に対するY医師・S薬剤師の認識の甘さ
(2)Aが生後4週間の新生児であることに対するY医師・S薬剤師の配慮の欠如
(3)Y医師においては、一般に風邪等に罹患した乳幼児はミルクの飲みが悪いと決めつけて個別的な症状を考慮せずに、患児のミルク摂取量という偶然性にかからせた薬剤処方をしたこと、S薬剤師においては、薬剤の専門家として右の処方に何の疑問も感じずにこれに従い調剤したことにつきそれぞれ落ち度がある。
その上で、S薬剤師がY医師による本件処方に従って本件調剤をしたこと及びY医師は、S薬剤師に対し、体調の悪い乳児はミルクを全部飲まないので通常の服用量よりも多めに処方を行うため、処方どおり薬剤を調剤するよう指示し、S薬剤師はこれを了解していたことから、Y医師の本件処方とS薬剤師の本件調剤との間には客観的な関連共同性のみならず主観的な関連共同性さえ存在するということができるから、両名の行為が共同不法行為を構成することは明らかであると判示しました。そして、本件入院及び本件入院と同一症状・疾病でK病院に3日通院した際の治療費等を両名の過失と相当因果関係にある損害として、Aの損害賠償請求を一部認めました。

「埋めたろうか」と散々毒づかれ土下座して謝れ

 

 

私は、関東地区の営業責任者部下と一緒に得意先回りの日々、帰社後一本の電話

(客)佐藤デス・・・

(私)あぁー佐藤社長、いつもお世話になります。
何かありましたか?

(客)近藤商会、行ってるー?

(私)いえ、近藤商会さんは、佐藤社長御ひいきなので、
行ってませんがー

(客)さっき近藤商会に行ったら、お宅から安い見積りが出てるん
   だけどー  コレ?どういうコト?

(私)うちではないですよー。そちらに、見積りは出しません。
   何かの間違いだと思いますが。

(客)今、購入担当者から直接聞いてきたんだよー
   お宅からかなり安い見積りが出てるって
   オレが嘘言ってるって言うのーか
   盗っ人みたいなことしやがってー
   会社潰す気かー
   コチとら、信用丸つぶれじゃーねーかー
   得意先にどう説明すんだぁー

(私)佐藤社長 ウチじゃありませんよ

(客)テメーコノヤロー、どう責任とるんだ

と散々毒づかれ、最後にいっぺん「埋めたろうかー」
明日一番でカオ出せー!と取り付く島もなく電話を切られた。

 

電話を置いてから、えぇーー?なにイー?人を泥棒呼ばわりして、「埋めたろうか」って、何でそこまで言われなきゃならないんだ。
と思いながらも、現地担当者に確認するとやはり、見積りは出ていなかった。あきらかに社長の誤解だった。

 

案の定、翌朝

(客)あのあと先方に行ってみたら勘違いだって!
   担当者、商品名見間違えちゃってぇーさー
   彼もしっかり謝ってたし、許してやってよ
   年は取りたくないよねー (笑)

(私)はああー佐藤社長。得意先の勘違いでしたかぁ
   確か昨日いろいろおっしゃってましたよね。
   埋めるとか何とか、言われませんでしたっけ!

(客)イヤー昨日は興奮して、思わず何か言ったかも
知れないけど、
勢い余っていろいろ言ったかも
しれないけど
疑ってすみませんでしたね。

 

人を朝一番で呼びつけておいて、何がすみませんでしたねーダ。
得意先だからといって言っていいことと悪いことがある。
分別もなく人を疑うな!!

取り引き続けたかったら

「土下座して謝れ」

と言いたかったのをグッと押さえ

 

(私)しょうが無いですね。これからしっかり
調べてから言って下さいよ。

 

帰社してからも釈然とせず、「埋めたろうか」ってのは、脅迫じゃないのか?当然、得意先、訴えることはあり得ないけど、法的にはどういう顛末か確認したいと思い調べたら

何と・・・

「埋めたろうか」と言う言葉、言われた本人が、恐怖感を感じなかったら脅迫罪にならないらしい?のだ。恐怖の度合いを誰がどうやって判定するのかー?と疑問は残ったものの確かに、恐怖感は無かった。

 

会話の弾みで「埋めたろうか」って思い余って言ったくらいでは
脅迫罪にならず、例え自分が相手をけしかけ逆上させ出た言葉でも
社会通念上許される範囲であれば脅迫罪は成立しない。らしい?
何れにしろ立証が難しそうな内容だということがわかった。
また、たとえ録音して警察に駆け込んでも解決は難しそうだ。

 

むしろ問題なのは、自分が強要罪で訴えられていたかも知れないということだった。もし、取り引き続けたかったら「土下座して謝れ」って言ってたら

 

強要罪刑法223条は、「生命・身体・自由・名誉・財産に対し、害を加えることを告げ脅迫・暴行を行い義務のないことをさせ権利行使を妨害した者」は3年以下の懲役、未遂罪も3年以下の同罪

 

「土下座して謝れ」は義務のないことを、「取り引き続けたかったら」名誉に害を加えることになり、強要罪が成立しかねないところだった。

 

訴えるより、訴えられる立場になっていたかもしれない。そういえば、佐藤社長の顧問弁護士が最近、いろんなショクシュの人たちが熱心に相談にくると言ってたことを思い出した。不用意な言動は身を亡ぼすことになると痛感しました。

 

「土下座して謝れ」 は強要罪5段階で懲役3年

 

 

強要罪とは


暴行や脅迫で相手に義務のないことを強要する犯罪です。

2013年、衣料販売店の店員が土下座させられ、Twitterに投稿した女性が、強要罪の疑いで逮捕された事件がありました。

 

土下座という稀な(まれな)行為は普段目にしませんが、陰湿な言葉で相手を貶め(おとしめ)優越感に浸る行為は、気付かないだけで身近に存在すると思いました。

 

平成27年警察庁の犯罪統計白書

相対的に犯罪率は減少しているものの、脅迫罪(強要罪を含む)は、10年前の1.6倍60歳以上は2.2倍でした。

犯人の職業は、無職が最も多くサラリーマン、年金受給者と続きました。単独犯で憤怒(ふんど:激しい怒り)が犯行動機で、大多数は住宅内で起こり、道路上、事務所、駐車場、学校・幼稚園、飲食店、病医院、公園で発生しています。

 

強要罪:刑法223条

「生命・身体・自由・名誉・財産に対し害を加えることを告げ、脅迫・暴行を行い義務のなことをさせ権利行使を妨害した者」は3年以下の懲役、未遂罪も3年以下の同罪。

 

強要罪 事例1

土下座して謝らないと(義務が無いこと)
本社に言うぞ(名誉に害を加えると脅す)

強要罪 事例2

胸ぐらをつかまれて(自由を害する暴行)
ハンコを押させる(義務がなく権利の侵害を行う)

強要罪 事例3

土下座して謝らないと(義務が無いこと)
店のミスをネットで流すぞ(名誉に害を加えると脅す)

 

 

犯罪統計白書 高齢者の増加

時間と暇をもてあそぶ無職の年金受給者の犯罪が際立っていました。

自分だったらこうするのに、こんなことも出来ないのか。俺だったらこう考えるのに、そんなことも知らないのか。

最初は穏やかな会話でも、次第にエスカレートして豹変する高齢者が増えているように思いました。

 

警察へ通報するまでの5段階

「土下座して謝れ」を、強要罪、脅迫罪、不退去罪、威力業務妨害罪を想定して、警察へ通報するまでの5段階を描写しました。

土下座表紙

クレーム対応第1段階【依頼】

土下座は出来ません。と否定し、静かにするよう通告します。

土下座❶

クレーム対応第2段階【注意】


再度土下座を否定し、再度静かにするよう通告します。

土下座❷

クレーム対応第3段階【警告】

業務に支障がでることを警告します。

土下座❸

クレーム対応第4段階【通報予告】


お引取りください。と伝え、さらに居座り続けた場合は警察を呼ぶと通告します。「不退去罪刑法130条3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」を念頭におき通告します。

土下座❹

クレーム対応第5段階【通報】


過激な言動や態度が続く場合警察に通報します。

「脅迫罪、刑法222条2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」
を念頭におき通報します。

静止しても大きな声で威嚇し、暴行脅迫行為で、人の意思を制圧するような行為があれば、「威力業務妨害罪、刑法234条3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に問われる可能性もあります。

土下座❺

 

「土下座して謝れ」については
援川聡『クレーム対応の教科書』を参考にしました。

以上が犯罪成立の指標になります。
その対応記録は時系列で文書化して保管しましょう。

 

高齢化が急速に進む現代社会では思わぬ出来事が増えています。普段の近所付き合いを含め、駐在所の警察官などと面識をつくり、関係を深めておくの良いと思いました。

またそれ以上に、火災保険や地震保険と同じように、安心安全のため弁護士と顧問契約を結び危機管理を充実すべきだと思いました。

弁護士の顧問料 

一般的には月額3万から10万の範囲だと思われますが、以前世話になった岡山の某弁護士事務所は大手の事務所でしたが月額1万円でした。大阪の某弁護士事務所は1人でやっている事務所でしたが月額5万円でした。何れの事務所も電話でも、面談でも、いつでも気軽に無料で相談にのってくれました。

そもそも顧問弁護士は、法律に関するアドバイザーですので、売り上げや利益を上げることに直接効果はありませんが、商売を大きくしていく場合など、法律上の問題点を事前に回避し安全に且つ安心して前に進む手助けをしてくれると思います。

また、日々の商売の中で客とのトラブルや、従業員との何らかの行き違いがトラブルに発展した場合なども、適切な対応策をアドバイスしてくれると思います。

見つからないからいい。誰にも分からないからいい。という独りよがりの理屈は長く続きません。あとで事件として発覚し、訴訟を受けた場合など、会社及び個人の財産まで根こそぎ無くなってしまう恐れがあります。

あらゆるトラブルが原因で売り上げや利益を落とす危機を回避してくれる可能性を顧問弁護士は担っています。法令順守は身を守る最良のツールでもあります。思い切って一度相談してみてはどうでしょうか。相性が合わなければ別の弁護士を探せばいいだけです。とにかく本業を頑張ってやっていきましょう。

店舗でゲロを吐いた時の処理とクレーマー対策

吐物(とぶつ)処理の現状

病院、開業医、薬局、介護施設等の医療施設等には、患者がおう吐(ゲロ)した場合、安全に万全を期して掃除するマニュアルがあります。

一方、スーパー、コンビニ、レストラン、理髪店、美容院等々で、お客さんが、おう吐した場合しっかり掃除できるマニュアルは準備出来ているでしょうか?

風邪で吐いたのか
二日酔いで吐いたのか
食べ過ぎで吐いたのか?
ノロウイルスで吐いたのか

 吐しゃ直後、吐しゃ物が安全か感染性があるかどうかその危険度は分かりません。人が多く出入りする場所で、突然、お客さんが吐いたとき、お客さんの安全を守る感染知識と掃除技能が必要です。

医療関係者や知識人が退職後、時間や暇を持て余しています。その人たちが生活するところにおいて、もしおう吐する人がいた場合、適切な対処が出来ない人を見つけた場合、或いはその当事者であった場合など、その適切に対処出来ない未熟な人たちを教育と称し、不適切な掃除や感染対策違反の未熟さを執拗に指摘することが考えられます。

 そのような有事を想定した対策と事前準備が必要になってきます。そのため以下の手順で不測の事態を想定してみて下さい。

 ステップ1:案内と告知(おう吐直後)

「今から吐しゃ物の掃除をします」
周辺の人に口頭で案内します。

「当店のルールに従って行いますのでご了承下さい」吐しゃした本人と周辺の人に告知します。
まれに、吐いた本人や家族から

「俺のゲロはそんなに汚いのか?」と言われたら
「社内規定に、吐しゃ物処理マニュアルがあるため、その指示に従い処置しますのでご安心下さい!」

と笑顔で丁寧に毅然と説明します。窓を開け換気し、周辺の人を掃除の場所から退去して貰います。

 

ステップ2:実践トレーニング

進行➀
二畳サイズのブルーシートを広げます。
ステップ3の要領を覚えて貰います。

進行②
テーブルに❶から❾を並べて置きます。

進行③
出席者は10人位ブルーシートの周りに
立って 貰います。
「終わってから感想を一人ひとり聞きます」
とアナウンスします。
全員の緊張感をあおります。

進行④
「誰かトレーニングしたい人いませんか?」
2人希望を募ります。

進行⑤
誰も名乗りでなければ二人を選任します。

進行⑥
2人でテーブルの物を自由に着けて貰います。
手袋は2枚装着する必要がありますが・・
進行者は何も語らず見るだけ

進行⑦
進行者が、ブルーシートにしゃもじで
すくった 卵入りおかゆを1メートル上
から落とします。
半径2メートルに飛び散ります。
卵入りのおかゆはゲロと同じです。

以下、ステップ3を実践して貰います。
◎トレーニングで最も大事なことは、
掃除をする人が自らが感染しないこと。
◎床を拭くとき、ひざをつかない。
◎手袋やガウンを脱ぐとき汚物に触らない。

 

トレーニングに準備するもの

❶使い捨て手袋2枚(最初から身に着ける)
❷使い捨て靴カバー(無い場合はスーパーの袋)
❸使い捨てマスク
❹使い捨てエプロン又はガウン
❺大型ゴム袋2枚
❻使い捨てヘラ(段ボール紙を切っておく)
❼新聞紙(多めに)
❽ペーパータオル
❾次亜塩素酸ナトリウム(家庭用のものを薄めておく)
❿ブルーシート(ホームセンターで購入)
⓫卵入りおかゆ(レトルトパック一袋)
⓬しゃもじ(おかゆをすくって落とすため)

 

ステップ3:(1)~(11)の順序で行う。

 

  1. ゴミ袋を中と外に二重に重ねて口を広げて置きます
  2. 吐しゃ物を新聞紙で広くおおいます
  3. 次亜塩素酸ナトリウムを新聞紙の上からたっぷりかけます
  4. 外から内にむけ包み込むようにふき取りゴミ袋に入れます
  5. ヘラを使って残っている汚物をすくいます
  6. 二枚重ねの手袋の一枚をはぎ、ゴミ袋に捨てます
  7. 内側のゴミ袋に次亜塩素酸ナトリウムをたっぷりいれ
    封をします
  8. 汚物のあった床一面をペーパータオルで覆い
  9. 次亜塩素酸ナトリウムをたっぷりかけ10分間放置します。
  10. 10分後床一面のペーパータオルを回収しゴミ袋に
    入れます。
  11. 着ているモノを内側にまるめるように脱ぎ捨て
    ゴミ袋に入れ封印します。

最後、終わってからまわりで見ていた一人ひとりに
実演者の良かったところ、直すところを聞き出します。
ぜひ、仕事場だけで無く家庭でも通用しますので
トレーニングしてみて下さい。
どうもありがとうございました。

 

厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A

(作 成:平成16年2月 4 日)
(最終改訂:平成27年6月30日)を参照。
以下、原文です。

Q19 患者のふん便や吐ぶつを処理する際の注意

ノロウイルスが感染増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便10と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。

12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。

床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じて
ふん便等を包み込みます。
おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に 密閉して廃棄します。この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。

また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に 入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しない うちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後は ウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に 喚気を行うことが感染防止に重要です。

11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスに よる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢 便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることが ありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。
参考:ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告はこちら

 

Q20 吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に 付着した場合

はどのように処理をすればよいですか。リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように 処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。
下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1 分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム※の消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。
また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除を
する必要があります。次亜塩素酸ナトリウム※には漂白作用があります。薬剤の「使用上の注意」を確認してください。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)