退職して7年、やっとのことで、ビジネススーツを捨てる決心がつきました。
端から再就職する気が無いのに、ずっとハンガーに掛けていたビジネススーツ、
鎧として男の戦闘服であるビジネススーツを、戦利品のごとく取っておきましたが、
装いも新たに、ようやくテディベアに生まれ変わりました。
一方衣装ケースの妻の服も、同時代を共に歩んだ思いでとして残していました。
ベージュ系を好む妻でしたが、明るい色合いの服も似合うと思っていた私は、
鏡の姿を自覚して欲しく、試着を繰り返し、顔映り最優先で購入していました。
妻は、仕舞ってある洋服に「頑張っている感」が漂っていることに気付いていましたが、
退職してから、時と場所、場合に合わせて行く機会が減ったこともあり、
私は「いつかまた」という期待感から、妻の服も気持ちも放置していました。
結局、妻の洋服は、長女が着ると全く古さを感じることが無く、
何を着てもよく似合っており、満足そうな長女の顔に安堵しました。
私は洋服に限らず、形の或るなしを問わず「色と色合い」に惹かれるます。
街中を歩きながらも、様々な色に興味がわきます。
洋服などは特に一期一会としてその出会いを逃してはいけないと思ってしまいます。
退職してからは、収入が減り一期一会の機会をはほぼ無くなりましたが、
今までもそうであったように、これからの人生もまた何とかなるだろう。
何となく思うようになりました。
誰しもが、いつか還って逝くときが必ずくる。
今を生かされていることに感謝するのであれば、
「これからの人生もまた疑う必要なない」という思いに至りました。
笑顔がある生活を送るには、メリハリのある生活が必要だと強く思いました。
その実践のために先ず、目に見えるものをシンプルにしようと行動しました。
ハンガーにかかっているビジネススーツは夏用と冬用2着を残し、
テディベアに変身した一着以外は廃棄し、
衣装ケースにあったブラウスはほぼすべて長女に譲りました。
「貯金が少ない人の家は、たいてい散らかっている」というFPの黒田尚子の、
「収入のせいではなく日々の行動考え方に問題があるかもしれない。」との記事から、
整理整頓するのはモノでは無く、目に見ない執着だったと気付きました。
だからこそ、貯蓄を考える人にとって、何よりもやるべきことは、
支配されていることは何か?
囚われていることは何か?
心の声を聴き答えを導くことが最初に必要のようです。
ビジネススーツも、洋服も今の行動様式に合わせ暮らすことが気軽でいいようです。
モノに溢れた暗く汚い臭い生活から脱却するには、
現実を素直に受け入れる気持ちがあるか、僻み(ひがみ)を持っていないか、
他人を羨み(うらやみ)嫉妬心や、妬み(ねたみ)を持っていないか、
人に対して劣等感や憎しみなどの嫉み(そねみ)を持っていないか反省し、
支配されていることや、囚われていることから解き放たれた時から、
明るく朗らかな生活が始まり、望みが叶う世界に入っていくと思いました。
これでようやく、本当の人生の整理整頓が始まった思いです。