定年退職前にすること      「墓地の処分」

●お墓は架け橋、信仰心の一片を遺す

二十歳の学生の時に、父が買ってくれた墓地を手放し、夫婦2人は義母名義の三寧坂(さんねいざか)にあるお寺に納骨することにしました。

自分達の遺骨を富山の墓地に納めることは、亡き父や親戚、先祖への報恩になりますが、長女家族に京都から300km離れた富山に墓参りを託すのを心苦しく思いました。

一方、フランスに住む次女にとっては、姉が住む京都と、従妹達が住む富山を墓参りで行くことは、お墓が架け橋なりお墓が果たす役割に期待もありました。

しかしながら、娘たちも嫁いだ先の墓を含め、いくつもの墓の維持管理に金銭的にも、体力的にも負担をかけます。
また、高齢になった子供達も、先々を見据え身仕舞いを始めるときに、
自分たちの親が、どういう信仰心に基づいて、お墓を整理したかを遺したいと思いました。

●さまざまな手続きが人を遠ざけ架け橋を失う。

墓の整理には、墓の解体・撤去・更地費用、遺骨の取り出し費用、新墓地使用料、
開眼魂入れ費用、骨法要費用、改葬手続き費用、納骨供養費用、お布施、
檀家解約費用、埋葬証明書、改葬など、様々な儀式があり、
寺院や解体業者に数十万円から数百万円の支払いが発生します。

令和元年、京都市の某お寺から「墓じまい一式200万」を要求された、
との話を聞きました。
相談者の檀家は、想定外の金額に「放置する」ことを決めたようでした。
架け橋を失った寺は、維持管理が出来ず朽ちざるを得ません。

●坊主丸儲けは、むかしむかしの話し。

日本国内に寺院は7万7000、神社が8万1000の約16万の寺社があるようです。

すでに、住職が不在の寺も1万7000カ寺もあり、建物維持は困難のようです。
繁栄させるには30年ごとに数千万円の修繕費が必要との試算もあるようですが、
300軒だった檀家が50軒になれば費用負担が6倍に増えます。

全国に1万の寺を擁する浄土真宗本願寺派では、全寺院のうち43%が、
年収300万円以下であり、「坊主丸儲け」の時代は遠い昔の話であり、
寺院の自助努力での修繕も不可能に近いようです。

●明るく朗らかに生きることが供養であり徳を積む。

東日本大震災のとき、至るところで墓石が真っ二つに崩れ落ちた光景を目にしました。壊れたままにしておくと「バチが当たる」という人がいました。また、お墓がないと「不幸になる」という人もいました。
「仏壇の位牌は精神の魂が宿り、墓は肉体の魂が宿る」と表現する人もいました。

様々な意味合いをお墓に託す人達がいますが、自分たちの子供には、仏壇がなくても、お墓が無くても、地獄に落ちるわけでも、罰があたるわけでも、ましてや不幸を招くわけでもない!と伝えます。

何故なら、感謝の気持ちを伝えるのに、時間も場所も必要なく、
明るく朗らかに生きている人は、穢れを祓い清い心で生きているので
神仏を通して、亡き父や母への願いは叶えられる仕組みがあるので、
自分の生活さえしっかりしておけば何も心配いらない!と伝えます。

●お墓の根源とは。

碑石(せきひ)で墓を造ったのは、昔々の権力者だったようです。

宇宙を形成する、五大元素、地・水・火・風・空になぞらえ、

肉体を五大に還元し、極楽浄土へ往生させる目的で、五輪塔(ごりんとう)が

造られたようです。

普通の人の墓は、共同埋葬地に土葬をしたり石を置いたり、木の杭を建てたりしたものが一般的だったようです。

●最後に。

義母が所有するお墓は、清水寺の近くの三寧坂(さんねいざか)にあります。

自分と妻の遺骨は、亡き義父と義母と一緒に入れてもらうことにしました。

賑わった通りから少し入った、今は亡き有名作家の家の近くにある、
静寂なお寺の中に納骨堂があります。

正月だからこそ、家族が集まるときだからこそ、
お墓の情報を子供たちと共有するチャンスだと思いました。

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